「軽自動車は軽油だと思ってる?」 「ハイオク代わりにレギュラー!?」 うっかりじゃ済まない入れ間違い問題

クルマの燃料は、車種や仕様によって異なっています。では、指定された燃料と異なる燃料を入れた場合、どのような現象が起きるのでしょうか。

燃料を間違えたらどうなる?

 クルマの燃料には、レギュラーガソリン(以下:レギュラー)、ハイオクガソリン(以下:ハイオク)と軽油があり、車種や仕様によって入れる指定燃料が異なります。
 
 では、指定されていない燃料を給油した場合、どのような影響があるのでしょうか。

最近ではセルフ式のスタンドが当たり前となったが、『レギュラーガソリン=赤』、『ハイオクガソリン=黄』、『軽油=緑』で色分けがされている
最近ではセルフ式のスタンドが当たり前となったが、『レギュラーガソリン=赤』、『ハイオクガソリン=黄』、『軽油=緑』で色分けがされている

 JAFは、2019年2月に「燃料の入れ間違いによるトラブル」の要請件数を発表しており、1か月間で一般道と高速道をあわせて390件の救援要請があったといいます。

 そのなかで、ドライバーからの申告では「自分のクルマではなかった」「うっかり間違えてしまった」「軽自動車は軽油と思った」といったものが多く、勘違いや思い込みが燃料の入れ間違いに繋がっているようです。

 また、「ハイオクの価格は高い」という声も見られ、なかにはハイオク仕様にレギュラーを入れるユーザーも存在するといいます。

 都内のガソリンスタンドで勤務するスタッフは、以下のように話します。

「当店では、『ハイオクは高いから』とハイオク仕様のクルマにレギュラーを給油されるお客さまはたまにいらっしゃいます。

 基本的にお客さまの希望通りに給油しますが、『レギュラーを給油しても大丈夫ですか』と聞かれたときには、『クルマがパワーダウンする可能性があります』と説明しています」

 レギュラーやハイオク、軽油にはどのような違いがあるのでしょうか。

 これらの燃料は、いずれも原油から精製されており、原油は加熱、蒸留というプロセスを経て、沸点の違いによりさまざまな性質の製品に生まれ変わります。

 レギュラーやハイオクを含むガソリンは沸点が35度から180度、軽油は240度から350度とそれぞれ異なる沸点で留出されます。

 日本で使用されるクルマには「ガソリン車(レギュラー/ハイオク)」、「ディーゼル車(軽油)」と大きく分けられます。

 レギュラーとハイオクの違いは、オクタン価と呼ばれる数値です。日本工業規格(JIS)では、レギュラーがオクタン価89.0以上、ハイオクはオクタン価96.0以上という数値になっています。

 オクタン価とは、「ノッキング」と呼ばれる異常燃焼を起こしにくさを示す指標で、数値が高いほどノッキングしにくいようになっています。

 燃料の入れ間違いについて、自動車整備士のA氏は次のように話しています。

「レギュラー仕様のクルマにハイオクを給油したとしても、大きな問題はありません。

 一方で、ハイオク仕様はあくまでハイオクに合わせたエンジンセッティングがされているため、レギュラーを給油した場合、性能や燃費の下に繋がる可能性があります。

 問題なのは、ガソリンと軽油の入れ間違いです。

 ガソリン車に軽油を給油した場合、タンクに残ったガソリンと軽油が混ざると性能が低下していき、アイドリングが不調となります。

 その後、軽油だけになると黒煙が出るなどの症状があって、最悪の場合にはエンジンが停止する可能性があります。

 一方、ディーゼル車にガソリンを入れた場合は、出力低下やアイドリング不調、白煙などの症状が出ます。

 これらの症状が出ていると、ディーゼルエンジン内の部品の洗浄や交換が必要になる可能性があります。

 そのため、油種の入れ間違いをした場合には速やかにロードサービスなどで購入した店舗や整備工場に持ち込んだほうが良いといえます」

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