日産「GT-R」も消滅した2025年… 「ことし終売したクルマ」何があった? 「最後のビジネスセダン」や「ステーションワゴンの名車」も生産終了… 消えたモデルたちを振り返る
2025年も、惜しまれつつも終売したクルマがいくつもありました。そのうちの5台を振り返ります。
業務を支えた「実用モデル」から憧れの「スポーツカー」もことし終売
2025年もさまざまな新型車が登場し、多くの話題を集めましたが、その一方で姿を消してしまったモデルも存在します。なかには高い人気を誇っていながらも、後継車種が登場することなく消滅したモデルも少なからず存在しているのです。
今回はそんな「2025年に姿を消したクルマ」を振り返ってみましょう。

●日産「GT-R」
「スカイライン」の1グレードだったものから、単一車種に生まれ変わって2007年に登場した日産「GT-R」は、世界のスーパースポーツとも肩を並べる高性能車として長きに渡って愛され続けてきたモデルです。
デビュー当初は2ペダルMTのみである点や、そのミッションからのショックが大きいなど、ネガティブな話題も少なくなく、一時は中古車で300万円台で狙えるほどになった時期もありましたが、日産も根気強くアップデートを繰り返し、常にトップクラスの速さを持つモデルとして君臨し続けました。
その甲斐あって、今では中古車価格も高値安定となるほどの評価を得ましたが、残念ながら2025年8月に生産を終了し、現時点では後継モデルは登場していません。
●レクサス「RC」
レクサスブランドのクーペとしては、「SC」以来の登場となった「RC」は2014年10月に登場。レクサスのアイデンティティである「スピンドルグリル」を備えつつもクーペらしいワイド&ローなスポーツカーらしいフォルムを備えていました。
パワートレインは3.5リッターV型6気筒と2リッター直列4気筒ターボ、そして2.5リッター直列4気筒のハイブリッドが用意されたほか、よりハイパフォーマンスなモデルとして、5リッターV型8気筒エンジンを搭載した「RC F」も設定。
こちらはサーキット走行も視野に入れたモデルで、最高出力477馬力(351kW)/最大トルク530N・m(デビュー時)というスペックを誇っていたのも特徴です。
そんなRCもデビューから10年以上が経過したこともあり、2025年1月に11月で生産終了と「ファイナルエディション」の発売を発表。RC Fについては200台限定が即完売になるなど衰えない人気ぶりを見せましたが、後継車種については発表されていません。
●スバル「レガシィアウトバック」
1989年に登場し、俊足ステーションワゴンとして人気を集めた「レガシィツーリングワゴン」。その派生車種として、車高を高めてラギットなアウトドアテイストをプラスしたのが「アウトバック(日本では「グランドワゴン」「ランカスター」、アウトバックと名称を変更)」でした。
このモデルは主に北米市場からの声を受けて生まれたものでしたが、アウトドアテイストが日本でも受け入れられるようになると、6代目レガシィをベースにしたモデルからはツーリングワゴンは消滅。
アウトバックとセダンが残り、7代目ではアウトバックのみのラインナップとなっています。
その7代目アウトバックも2025年3月に受注が終了。海外では新型が登場していますが、日本では新型の導入はされていません。
ただ、10月の「ジャパンモビリティショー2025」のスバルブースでは、海外仕様の「アウトバック ウィルダネス」が展示されており、導入される可能性もゼロではないのかもしれません。
●スズキ「スイフトスポーツ」
スズキのコンパクトカーである「スイフト」に脈々と設定され続けてきた「スイフトスポーツ」は、通常モデルには搭載されないホットなエンジンと固められた足回り、ボディ補強など往年のホットハッチの不文律を守り続けてきたモデルでした。
ベースとなっているスイフトは2023年12月にフルモデルチェンジを果たしていますが、スイフトスポーツが先代型(ZC33S)をベースとしたものが継続販売されており、過去のモデルと同様、少し遅れて登場すると思われていました。
しかしスイフトスポーツの新型は現在のところ発表されることなく、現行型は2025年2月に生産を終了。最終生産車として「ZC33S Final Edition」が登場し、こちらは11月末で受注を終了しました。
手ごろな価格で購入できるホットハッチかつ、ターボエンジン搭載ということでチューニングの上がり幅も大きなモデルということで、中古車価格は高騰しつつあります。
●トヨタ「カローラアクシオ/カローラフィールダー」
2018年にデビューした12代目「カローラ」が3ナンバー化かつ上級化したことにより、5ナンバーサイズで比較的安価なセダン&ステーションワゴンを求めるユーザーに向けて、継続販売が続けられていた11代目の「カローラアクシオ/フィールダー」。
旧型をそのまま販売するのではなく、先進安全装備のアップデートや装備の充実なども図りつつ、グレードを1.5リッターのガソリンとハイブリッドの各1グレードに集約するなどしていました。
主な顧客は法人ユーザーでしたが、5ナンバーサイズのボディやこのクラスの車両としては珍しく5速MTがガソリンモデルに設定されていたこともあり、一般ユーザーからの根強い需要もありました。
しかし、さすがに需要も徐々に減少し始め、年々厳しくなる安全基準への対応などもあって2025年10月末に生産を終了しています。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。



































