斬新すぎる「2人乗り“スポーツカー”」公開に反響多数!? 「凄い」「圧巻…」 縦・横ドア「キャノピーボディ」に2.2Lターボ&高性能4WD搭載! 公道走行OKな「アズテック」とは
「オートモビルカウンシル2025」で展示されたイタルデザイン「アズテック」について、SNSなどにはさまざまなコメントが寄せられています。
日本で市販してしまった「斬新モデル」
2025年4月11日から13日にかけて開催の自動車イベント「AUTOMOBILE COUNCIL 2025(オートモビル カウンシル2025)」では、カーデザイナーの巨匠であるジョルジェット・ジウジアーロ氏に関連する展示が実施されました。
なかでもイタルデザイン「アズテック」はSNSでも注目を集めた1台でした。

アズテックは、名門デザイン工房であるイタリア「イタルデザイン」の創業20周年を記念し、1988年の「トリノモーターショー」で発表されたモデルです。
ルーフを持たない2ドアスピードスタースタイルのボディにミッドシップレイアウトを採用したスポーツカーですが、デザインは極めて近未来的なものでした。
運転席と助手席はそれぞれ2つのキャノピーが設けられ、乗降はこのキャノピーを横に開かせた状態でわずかに開くドアから行います。
フロントフェイスは低い位置に構えたロアグリルとウインカー類、長いノーズにはポップアップ式の4灯ヘッドライトが収まっており、当時のスペシャリティモデルらしい趣です。
ただしボディサイドは先出のキャノピーの存在感が強いうえに、ドアはスケルトン構造でかつリアタイヤはエアスパッツで覆われ、さらにボタンや計器が備わるメカニカルな意匠も採用。まるでSF映画に登場する“未来のクルマ”のような雰囲気を作り上げています。
実はこのボディサイドの意匠は、実際にファンクションをもたせたもので、これもアズテックの大きな特徴となっています。
パネルにコードを入力すると、エンジンオイルや冷却水、ブレーキフルードなどを表示するオンボードモニターを、右側は油圧ジャッキと12Vソケット、そして左側は脱着式の電動ドライバーやタイヤ用エアーコンプレッサー、消火器などを収納。
ハイテクかつ便利な装備類をまとめていました。
インテリアは左右対称で外から見ると助手席側にもハンドルが付いているようにも見えます。実際のところは左ハンドルで、右側はステアリングのような半円のグリップとなっています。
コクピットはサテライトスイッチを中心としたドライバー中心の設計で、インパネ中央には今のインフォテイメントシステムに通ずるソニー製のブラウン管モニターを装備しています。
なお、発表当初アズテックは、ルーフを備えた「アスピド」、6人乗りを提案した「アスガード」など、同じデザインテーマで製作されたコンセプトカー3台で披露。ただし、コンセプトカーとしてのデビューにしかすぎず、市販の予定はありませんでした。
しかし、イタルデザインをジウジアーロ氏と共同で立ち上げた実業家の宮川秀之氏は、アズテックの生産権を取得し、日本限定で50台の生産・販売を計画します。
走行面のサポートはドイツのモトーレン・テクニック・マイヤー(MTM)が担当。採用されたパワートレインはアウディ「クワトロ」用2.2リッター直5気筒ターボで、これをミッドシップに搭載。さらにランチア「デルタ」用の4WDシステムを組み合わせます。
型式認定の取得はドイツで行われ、販売価格は50万ドイツマルク(当時のレートで約4000万円)、日本では約1億円に設定されました。
ところが、発売を直前に控えたなかでバブル景気が崩壊。わずか18台〜25台(諸説あり)の生産がなされたのみで、そのうち日本には2台が輸入されたといわれています。
今回オートモビル カウンシル2025で展示された個体は、その1台で、SNSでも来場者を中心にさまざまなコメントが寄せられています。
「これも実物見られる機会はそうないよね」「初アズテック…圧巻でしたな」「見られて至福」など、実車を見ることがほとんどできないことから、貴重な機会を堪能した人が多いようです。
また、「見た目が戦闘機かってくらい先鋭的なデザインですごい」「テールがアルファ164のだ!」と、奇抜なデザインへ関心を寄せるコメントも。
さらに、「人生で見る機会に恵まれるとは思ってなかった車種が集結してて非常~に濃密でした」「バンディーニ・ドーラと並んでてアツい」など、オートモビルカウンシルならではの希少車種を拝見できるチャンスに感動する人もみられました。
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