静かに艶を増した日産「エクストレイル」 マイナーチェンジで“上質が似合う大人のSUV”へ進化【PR】
2025年8月にマイナーチェンジを実施して新しくなった日産の「エクストレイル」を、現役レーシングドライバーである自動車ジャーナリストの木下隆之氏が体験しました。「タフでアウトドア」のイメージが強いエクストレイルですが、現行型はそのイメージを洗練。外装や内装の質感、走りを磨き上げ、大人の日常に自然と溶け込む上質なSUVへと進化しているようです。
“上質”をまとったSUV 夜の街に似合う深化したエクストレイル
なぜ僕(筆者の木下隆之)が今日、こんなにも落ち着いた気持ちでいられたのか、自分でも不思議でした。サーキットで思いきり攻めたあとの帰路、興奮が冷めていくまでにはもっと時間がかかるはずなのですが、気づけば胸のざわつきがすっかり収まっていたのです。
理由は、新たに改良を加えたエクストレイルの存在。それを理解するのに、時間は要しませんでした。

昼間、僕はレース用マシンでトラックを走っていましたが、ラップタイムが思い通りに刻めた時の高揚感は格別です。アドレナリンが噴き出し、指先まで感覚がさえわたります。
そのテンションのままクルマに乗り込めば、普段なら街まで戻る間もずっと高ぶりが続くものですが、この日は違いました。

エクストレイルの走りは、神経を逆なでするどころか、ちょうど良いタイミングでクールダウンへと導いてくれたのです。
タフさはそのまま、イメージを刷新 たたずまいは上質へと成熟
改良されたエクストレイルを紹介する前に、ここでエクストレイルというクルマについてふり返ってみましょう。エクストレイルの歴史は2000年にさかのぼります。
デビュー当初は、ルーフにスキー板やスノーボードを積んで、雪深いゲレンデを目指す、あるいは荷室にBBQコンロやテントを積み込んでキャンプサイトに向かうのに適した“タフギア”の趣が強いモデルで、アウトドア層の期待に応えるバディとして人気を得たのです。

ところが、世代を積み重ね、現行型の4代目になると、持ち前のアクティブ性能を高めなからも“上質”なフィーリングを増していきます。
エクストレイルが輝くステージは、ゲレンデやキャンプサイトだけではなく、都会の高級ホテルのエントランスが似合うようになりました。

ベルボーイに電子キーを預けて女性をレストランにエスコートするような場面でも、エクストレイルは堂々と振る舞うーー現行型は、その仕立てのよいプレタポルテのような“上質”な色彩をさらに強めています。

走りはモーター、発電はエンジン 大人を満たす電動という美学
現行型エクストレイルが搭載する第2世代e-POWERは、発電専用の1.5リッター KR15DDT可変圧縮比ターボエンジンと、十分な出力を発揮する前後モーターによって駆動します。つまり、シリーズ式ハイブリッドです。
フロント150kW/330N・mに加え、リアには100kW/195N・mの駆動力が炸裂します。合計450N・mを超えるトルクが、アクセル操作直後から立ち上がってくる感覚は、この上なく頼もしいものです。

ターボエンジンは走行に直接関与しません。つまり、回転数と加速が完全に切り離されているため、サーキットで得た“エンジン回転と加速の一致の快感”とは異なる、静かで滑らかな推進力が味わえます。
さらに、日産が世界で初めて量産に成功した可変圧縮比ターボ「VCターボ」は、直列3気筒であるにもかかわらず、まるで4気筒や6気筒を思わせる微振動とサウンドを響かせてくれます。
駆動輪とエンジンは物理的には切り離されているとはいえ、ハイブリッドならではのリニアリティーはしっかりと感じられます。そこには無機質な冷たさはなく、むしろエクストレイルが命や魂を宿した“バディ”のように感じられるのです。エクストレイルは僕の大切な相棒にふさわしい存在だと感じます。

運転していても、サウンドやバイブレーションには雑味がありません。それでいて静粛性が高く、高速道路を100km/hで巡航していても自然な声量で会話ができます。ロードノイズは抑えられ、モーター駆動特有の高周波音も小さく、車内は一定の静けさを保っています。
サーキットからの帰り道、激しく分泌されていたアドレナリンがスーッ……と消え去ったのは、エクストレイルの上質な走り味があったからに違いありません。
滑らかさと落ち着きが際立つ 緻密な制御がもたらす静かな余裕
特筆すべきは、電動4WDシステム「e-4ORCE」の緻密な制御にあります。前後左右の駆動力を、まるで手品師のような巧みな手さばきでふり分けるため、エクストレイルは終始穏やかで落ち着いています。
例えるなら、ハイウエーの追い越し車線にレールが敷かれていて、そのレールに向かって導かれるように突き進んでいる感覚です。ビタッと安定したまま、ひたすら真っすぐに目的地を目指してくれました。

それでいて、コーナリング時の振る舞いも上質です。仮にタイヤの限界まで攻め込んだとして、アンダーステア(クルマが外側に膨らむ)のような挙動に陥ったとします。するとエクストレイルは、外側のモーターへ瞬時にトルクを増やすことで、過度なロールやアンダーステアを防ぎ、ラインをトレースします。
一方で、テールスライド気味の挙動に陥ったとします。その際は逆に外輪にブレーキを制御することで、安定性を確保するのです。

「仮に」と念を押したのは、一般的にそんなアクロバチックな挙動に陥る前にエクストレイルは、そうならないように制御するからです。つまり、破綻がありません。制御を制御と感じることなく、ドライバーに悟られない控えめなゾーンで支えてくれるのです。安心感の源はそこにあります。
また、最先端の運転支援技術「プロパイロット」が組み込まれているため、エクストレイルがアクセルやブレーキをサポートし、運転者の負荷を軽減しながら目的地へと導いてくれます。レーンキープも造作もなくこなします。

ステアリングに手を添えているだけで完璧な“移動マシン”に変身しますが、せっかくの走り味を堪能するために、この日はあえて素のままの状態で走らせてみました。
シティーユースの快適性と、アウトドアでのタフさを両立している点も印象的でした。サーキット帰りのカラダには、この静けさがありがたく感じます。

実は僕は、エクストレイルを走らせる前にすでに、上質な雰囲気を予感していました。エクストレイルに歩み寄り、運転席のドアに手を添える直前、一層精緻(せいち)になったグリルのパターンや色の装飾感を抑えたフロントマスクが、高級感を強く意識させていたのです。
次のページでは、エクストレイルの最新機能やインテリアの質感、走りの魂が宿る“NISMO”仕様を体感した様子をお届けします。



























































































