なぜ「ハイブリッド車」を買う時「寒冷地仕様」が必要!? 非降雪地でもわざわざ「追加オプション」で選ぶべき「理由」とは

多くのクルマのメーカーオプションにある「寒冷地仕様」は、通常仕様と何が違うのでしょうか。寒い地域以外では不要に思えますが、こと「ハイブリッド車」なら付けておいて損はない理由について紹介します。

「寒冷地仕様」は“高コスパ”なメーカーオプションだった!?

 新車カタログや中古車サイトの車両説明欄でよく見かける「寒冷地仕様」は、多くの場合メーカーオプションとして選択できるものですが、一般的に販売されているクルマと何が違うのでしょう。

 居住エリアが積雪地でなくても、検討する必要があるのでしょうか。

積雪地以外でも「寒冷地仕様」は役に立つ!?[画像はイメージです]
積雪地以外でも「寒冷地仕様」は役に立つ!?[画像はイメージです]

 まず、寒冷地仕様が強く推奨される地域は、北海道や東北、北陸や山陰といった雪が多く気温がマイナス10度以下になる場所です。

 こうした地域でもクルマが問題なく使えるようにアップグレードされるのが寒冷地仕様となります。

 細かな仕様変更はクルマによって異なりますが、主なものは、通常よりも大容量のバッテリーを積むことや、オルタネーター(発電機)を強化することのほか、ガソリンタンクを大きくしたり、ワイパーモーターの強化、リアフォグランプの装備、フロントデアイサー(ワイパー下の熱線)を装備するといった、機能強化などに関わるものです。

 その他にも、内装にシートヒーターやステアリングヒーターを装備したり、車内の暖房機能を強化したりするといった装備の違いがあるクルマも存在します。

 こうした装備ですが、実は寒い地域だけで活躍するものではない、という点にも注目しておきましょう。

 まずバッテリーの大容量化は、冬だけでなく夏場にも役立ちます。

 エアコンをフル回転させてバッテリーに負荷を強いる夏場でも、バッテリーあがりが少なくなるというメリットがあるのです。

 近年は猛暑がますます厳しくなっていることから、これだけでも注目すべきポイントとなります。

 また、吹雪などの視界が悪い時に使用するリアフォグランプは、ゲリラ豪雨などで視界が悪い際にも役立ちます(霧もなく晴天の通常走行時に用いるのは絶対にやめましょう)。

 さらには梅雨時期、トンネルに入った時にドアミラーが曇ってしまって後方視界が確保できないといった状態に陥ったことがある人も多いはずですが、寒冷地仕様とセットになっていることが多いドアミラーヒーターは、こうした時にも大いに役に立ちます。

 加えて、ハイブリッド車やミニバンは寒冷地仕様と相性が非常に良いクルマです。

 寒冷地仕様にすると、ハイブリッド車には「排気熱回収システム」というものが標準装備されるケースが多くなっています。

 これはエンジンを暖めるために、自身の出した排気をエンジン周囲へ一度まわして、その熱をエンジンが吸収して、エンジンの暖機を補助するものです。

 エンジンが温まるまで強制暖機を続けるハイブリッド車では、早くエンジンが温まってくれることで、燃費の悪化を防ぎます。

 寒冷地仕様は、低燃費にも貢献するオプションなのです。

 またミニバンでは寒冷地仕様を選択することで、2列目シート以降の乗員が使用する空調が、クーラーのみからエアコンに代わるケースが多くあります。

 リアクーラーは、ミニバンの中間グレードやエントリーグレードでよくみられる装備ですが、これも寒冷地仕様とセットにすることで、上位グレードと同じエアコンへと変化させることができるのです。

積雪地以外でも「寒冷地仕様」が役立つシーンとは[画像はイメージです]
積雪地以外でも「寒冷地仕様」が役立つシーンとは[画像はイメージです]

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 もちろんメーカーオプションとして選ぶので、それなりのコストがかかる点はデメリットとして挙げられます。

 しかしおおよそ5万円以内で装着することができる装備であり、ここまで記したメリットを考えれば、十分に検討する価値もあるでしょう。

 新車カタログの装備表一覧には、寒冷地仕様で何が変わるのかが、小さな字で記載されています。中身をよく確認した上で、積極的に選択したい装備のひとつといえます。

【画像】「えっ…!」これが高速道路で「絶対やってはいけない」行為です!(30枚以上)

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Writer: 赤羽馬

金融業・自動車ディーラー営業マンを経て、ライターとして独立。幼少期からの自動車カタログ収集癖あり。エンドユーザーに役立つ話や経済・金融とクルマに関する情報を発信中。

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