トヨタの「小さな高級車」がスゴい! 「センチュリー級」クオリティ×全長4.5mの「ちょうどイイサイズ」! 直6+FRも魅力的な「プログレ」とは
トヨタがかつて販売していた、5ナンバーサイズに高級車の品質を凝縮した意欲作「プログレ」とは、いったいどのようなクルマだったのでしょうか。
「小さな高級車」の挑戦と現在
1990年代後半の日本の自動車市場は、「ボディサイズが大きいほど上級」という価値観が根強かった時代でした。その中でトヨタは1998年5月、既存のヒエラルキーに属さない異色のセダン「プログレ」を発表しました。
そのコンセプトは、ズバリ「小さな高級車」でした。日本の道路環境に適した5ナンバーサイズの中に、当時の最高級車「セルシオ」や「センチュリー」に匹敵する品質と、「クラウン」クラスの性能を凝縮するという、極めて野心的な試みでした。

車名の「プログレ」はフランス語で「進歩・進取」を意味し、グレード名の「NC」は「Neo Category(新しいカテゴリー)」を表すとされていたなど、既存概念からの脱却を目指す意志が示されていました。
開発背景には、大きなクルマの扱いにくさを感じ、外見よりも本質的な質を重視する成熟したユーザー層が出現したこともあったようです。
プログレは、「コロナプレミオ」と同等のコンパクトなボディ(全長約4.5m、全幅1.7m)に、クラウンなどに搭載される滑らかな直列6気筒エンジンを搭載しました。
そして内外装の品質はセルシオを目標とするなど、当時の常識を覆すパッケージングを採用しました。
これは、コンパクトながら高品質な欧州プレミアムセダンの影響も受けていたと考えられます。
そのコンセプトを体現するように、エクステリアデザインは抑制の効いた落ち着きのあるものでした。
派手さとは無縁のコンサバティブなセダンスタイルで、専用の「P」エンブレムが特徴です。
しかし、プログレの真価はそのインテリアにありました。
室内は「心地よく落ち着きのある空間」を目指し、素材選びから作り込みまで徹底的にこだわって開発されました。
特に上級仕様「ウォールナットパッケージ」では、ダッシュボードなどに本物のウォールナット材が惜しみなく使用され、シートには高品質なファブリックや本革が設定されました。
また部品の触感や組み立て精度は、セルシオに匹敵するレベルを目指したと言われています。
また5ナンバーサイズながら、クラウン並みのロングホイールベース(2780mm)により、十分な居住空間も確保されていました。
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