クルマのバンパーにある「謎のフタ」は何!? 知らないと「緊急事態」で困ることに? 中に入ってる「意外なモノ」とは

あなたのクルマの前後バンパーにも付いているかもしれない「謎のフタ」。普段は気にも留めず、開けたことがない人も多いのでは。実はその中には、万一の際に役立つ重要なものが隠されています。その正体とはいったい何なのでしょうか。

ほとんどの人が「開けたことない」!?

 近年のクルマの前後バンパーをよく見ると、ボディ同色で四角や丸い形をした小さな「フタ」が取り付けられていることに気づくかもしれません。
 
 ボディ形状に馴染んでいるため、言われるまで存在を知らなかったり、気づいても特に気に留めなかったりする人が大半でしょう。しかし、この「謎のフタ」、実は重要な役割を担っています。

バンパーの「謎のフタ」、一体何のため!?[画像はイメージです]
バンパーの「謎のフタ」、一体何のため!?[画像はイメージです]

 このフタは、多くの場合、工具を差し込むための小さな溝やくぼみがあり、そこにマイナスドライバーや車載工具のレンチの先端などを布で覆って差し込み、てこの原理で慎重にこじ開けることができます。

 緊急時のロードサービスでは、作業員が100円ショップで売られているような吸盤を使ってフタを開けていることもあります。

 ただし、バンパーもフタも樹脂製のため、力を入れすぎたり工具を直接当てたりすると傷がつく可能性があるので注意が必要です。

 フタを開けると、その奥にはネジ穴が現れます。このネジ穴こそが、謎のフタの正体です。

 これは、クルマが自走不能になった際に牽引(けんいん)するための金属製のフック、通称「けん引フック」あるいは「アイボルト」と呼ばれる部品をねじ込むための取り付け穴となっています。

 ひと昔以上前のクルマでは、車体の底面(フレームなど頑丈な部分)に、直接ロープなどを掛けられるフックが溶接されているのが一般的でした。

 しかし近年のクルマは、空力性能の向上やデザイン性の観点から、バンパーがボディ下部まで回り込んでいるデザインが多くなっています。

 そのため、従来の車体底面のフックにアクセスしにくくなったり、そもそもフックが取り付けられていなかったりするケースが増えました。

 そこで主流となったのが、バンパーに設けられた穴を通して、車体の骨格部分にあるネジ穴へ、必要に応じてけん引フックを取り付ける方式なのです。

 バンパー自体に強度はないため、あくまで穴を通して、その奥にある頑丈な部分にフックを固定する仕組みです。

 このけん引フックは、主にクルマが故障や事故を起こしたり、雪道やぬかるみでのスタック(立ち往生)、バッテリー上がりといった緊急事態に陥り、自力で動けなくなった際に使用します。

 JAFなどのロードサービス、あるいは他のクルマにロープなどで引っ張ってもらう(けん引してもらう)ための重要な接続点となります。

 動けなくなった状況によっては、前から引っ張るか後ろから引っ張るか変わるため、通常はフロントバンパーとリアバンパーの両方にこの取り付け穴とフタが設けられています。

 肝心のけん引フック(アイボルト)本体は通常、パンク修理キットやジャッキなどの車載工具と一緒に、トランクルームの床下収納や、ラゲッジスペース側面の収納ボックスなどに保管されています。

 いざという時に「フックがない!」と慌てないためにも、一度愛車の取扱説明書で保管場所を確認し、実際にフックの形状や取り付け穴の位置を確認しておくことをオススメします。

 フタは走行中の振動や軽い接触などで、気づかないうちに脱落・紛失してしまうこともあります。

 紛失防止のため、フタとバンパーが紐で繋がれている車種もありますが、もし紛失した場合は、ディーラーなどでフタのみ購入・取り付けが可能です。

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