約230万円! トヨタ最新型「SUV」登場! RAV4サイズの「4.6m級ボディ」&広びろ内装採用! 「トヨタパイロット」も搭載の中国「bZ3X」とは
トヨタは2025年11月5日、上海で開催された「中国国際輸入博覧会」にて、新型BEV「bZ3X」を展示しました。発売以来、異例の大ヒットを記録しているこのクルマ、いったいどんな仕様なのでしょうか。
200万円台でRAV4サイズのトヨタ車?
トヨタは2025年11月5日(現地時間)、中国・上海で開催された「第8回中国国際輸入博覧会」に出展しました。
ブースでは「立全球、更中国(グローバルに立ち、さらに中国へ)」をテーマに掲げ、中国市場での現地化を加速させる姿勢を強調しました。
その中で、現在中国で最も注目を集め、来場者の熱視線を一身に浴びていたのが、新型バッテリーEV「bZ3X」です。

bZ3Xは、トヨタと広州汽車集団、広汽トヨタ、そしてトヨタ知能電動車研究開発センターが共同開発した、中国市場専用のファミリー向けSUVタイプのBEVです。
2025年3月6日に広汽トヨタから発売されると、開始わずか1時間で1万件の受注を記録。2025年8月時点で累計販売台数が約3万5000台に達するなど、外資合弁系メーカーのBEVとしては異例の大ヒットを記録しています。
コンセプトは「COZY HOME(心地が良い動く家)」。ボディサイズは全長4600mm×全幅1850mm×全高1660mmで、ホイールベース2765mmです。
トヨタの人気SUV「RAV4」とほぼ同等のサイズ感ですが、EV専用プラットフォームによるロングホイールベース化により、広大な室内空間を確保しています。
インテリアは、まさに「動く家」のようです。センターには14.6インチの大型タッチスクリーンを配置し、チップセットにはクアルコム製の「スナップドラゴン 8155」を搭載。
上級グレードにはヤマハ製の11スピーカーシステムや、助手席オットマンなどを備え、快適な移動空間を実現しています。
また、中国の自動運転技術企業「モメンタ」と共同開発した「トヨタパイロット」を搭載し、日本ブランドとして初めて、市街地を含む「NOA(ナビゲーション・オン・オートパイロット)」機能を実現しました。
そして最大の衝撃はその価格です。スタート価格は10.98万元(約230万円)からと、RAV4クラスのEVとしては破格の設定となっています。
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なお、ブースにはbZ3X以外にも注目の電動化モデルが並びました。特に注目を集めたのが、新型BEVセダン「bZ7」の実車公開です。bZ7は、「bZ」シリーズのフラッグシップとなるDセグメントセダンです。
最大の特徴は、トヨタ車として初めて、中国の通信機器大手ファーウェイの「ハーモニーOS」を搭載したスマートコックピットを採用した点にあります。
中国本土の高度な知能化技術を取り入れ、現地のユーザーニーズに徹底的に応えるモデルとして、まもなく発売される予定です。
さらに、高度自動運転技術を搭載した「bZ4X ロボタクシー」も量産モデルが初公開されました。
これはトヨタと自動運転技術開発の「Pony.ai(小馬智行)」が共同開発したレベル4級(特定の条件下で完全自動運転が可能)の無人運転車両です。
bZ4xロボタクシーは、2026年には中国の主要な一級都市に1000台規模で投入され、本格的な商業運行が開始される予定となっています。
圧倒的なコストパフォーマンスと高度な知能化で爆発的な人気を得ているbZ3Xに加え、ファーウェイ製OSを採用したbZ7や、ロボタクシーの展開など、トヨタの中国戦略は新たなフェーズに入っています。
「中国のために、中国でつくる」という現地化戦略が、実を結びつつあることを証明する展示内容と言えるでしょう。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。





















