日産「エルグランド」生産終了! 次期型は25年か26年? 「トヨタ・アルヴェル化」せず日産・ホンダが“独自路線ラージミニバン”で活路を見出すにはどうすべき?
国産ラージミニバンで独走状態のトヨタ「アルファード」。兄弟車「ヴェルファイア」も高価格帯ながら販売上位に位置しています。一方でライバルにはホンダ「オデッセイ」や日産「エルグランド」がいます。すでに販売10年以上となる2台が次期型でアルヴェルに勝つにはどうしたら良いのでしょうか。
打倒アルヴェル! オデッセイ&エルグランドに必要なものとは
2025年3月現在、ラージサイズのミニバンは、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア(以下、アルヴェル)」、ホンダ「オデッセイ」と日産「エルグランド」があります。
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アルヴェルは2023年6月にフルモデルチェンジし、さらに高級感などを増したことなども踏まえて高い人気を博しています。
一方でライバルとなるオデッセイやエルグランドの現行型はともに10年以上販売が続いています。
では、オデッセイやエルグランドがアルヴェルに勝るために次期型ではどのようなポイントが重視されるのでしょうか。

アルヴェルは、その広さやシートの座り心地、ゴージャスな内外装や走りの質感など、あらゆる面でミニバンの王者にふさわしい仕上がりになっているだけでなく、販売面でもライバルに大差をつけています。
日本自動車販売協会連合会(自販連)の乗用車ブランド通称名別順位によると、2025年2月のランキングはアルファードが8034台で6位、ヴェルファイアも3195台を登録し、21位につけています。
オデッセイは990台で46位、エルグランドは公表されている50位の圏外です。
ここまでの差が付いてしまっているのは、順調にフルモデルチェンジを重ねてきたアルヴェルに対し、オデッセイの現行型は2013年11月に発売され、2021年末に一旦生産を終了。
その後、2023年12月に一部改良を受け、中国からの逆輸入車として復活を遂げましたが、基本設計は古く、デビューから12年近い年月が経っています。
なお、現行オデッセイは、2022年通年では同ランキングで31位に入り、2万1148台を登録。
駆け込み需要があるのをホンダも認識し、中国からの逆輸入車という形で復活させましたが、その後はトーンダウンした感があります。

現行エルグランドは、2010年8月に登場し、一部改良を挟みながら2014年、2020年にマイナーチェンジを敢行しています。
しかし、エルグランドに限らず、日産の商品企画のつまずき(モデルチェンジを実施せず、あるいはできずに延命措置を図る)もあって、すでに15年選手であり、基本設計の古さは否めません。
そうしたなかで、2025年2月に「2024年度 第3四半期決算発表」および「ターンアラウンド(経営改革)の取り組み」の発表にて2025年度から2026年度に「大型ミニバン」を投入する明らかにしました。
これが次期エルグランドになると言われているなかで、同年3月下旬には「現行エルグランドが生産終了」となることが日産広報部への取材で明らかになっています。

では、オデッセイ、エルグランドにフルモデルチェンジがあると仮定して、かつてのようにオデッセイとエルグランドがアルヴェルのライバルたる存在になるには何が必要なのか考えてみました。
オデッセイ、エルグランドに共通する点として、全高が低めというのがあります。
オデッセイは1695〜1715mm、エルグランドは1815mmです。対するアルヴェルは、1935〜1945mmもあり、背の高さに起因する存在感は無視できません。
オデッセイ、エルグランドが低全高(低床化も実現)にしたのは、燃費や乗降性はもちろん、重心高を抑えることで、操縦安定性などの走りに影響を与えないなどがあります。
しかし、トヨタは自慢のハイブリッドを強みに燃費への悪影響を抑制しつつ、シャシなどの進化もあり、ハンドリングや乗り心地の面でもオデッセイ、エルグランドに大きく勝っている印象です。
さらに、アルヴェルは、ミニバンのみならず、新たな高級車像を確立したのも強みです。
高級車にふさわしい内外装、走りの質感を備え、大開口部を備えているミニバンとは思えないほどの上質な乗り味まで実現しています。
また、2025年1月にはPHEVを追加することで、電動化車両らしいスムーズで静かな走り、73kmのEV走行距離により日常の買い物や送迎程度であればEVとしてまかなえる選択肢まで揃えています。
ほかにもパワートレーンを問わず、動力性能に不満は出ることはほとんどないという力強い走りも備えています。
オデッセイ、エルグランドがキャッチアップするには、ガソリン車も含めてパワートレーンの強化が不可欠でしょう。
ホンダは2モーター式ハイブリッドの「e:HEV」を、日産はシリーズハイブリッドで100%電動駆動の「e-POWER」を動力性能、環境性能ともにさらに磨きあげる必要があります。
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