かつて大ブームとなった「ステーションワゴン」なぜ人気低迷? 国産モデルはわずか4車種のみ!? “絶滅危惧種”となった最大の理由とは?
かつて大人気だった「ステーションワゴン」ですが、国産モデルは数車種まで激減してしまいました。絶滅寸前となった理由とは何なのでしょうか。
現在の国産ワゴンはトヨタかスバルしかない!?
昨今、国内外の自動車メーカーがSUVを数多くラインナップしており、その一方で「ステーションワゴン」は消えゆく存在となってしまっています。
1990年代から2000年にかけてはステーションワゴン全盛の時代で、各メーカーがワゴンモデルをラインナップ。セダンをベースとしたモデルはもちろん、ワゴンのみの単独モデルも多く登場したのです。

しかし、気づけば車高が高くて車内の頭上空間も広いSUVがもてはやされるようになり、国産ワゴンは数車種にまで激減。
2025年2月時点で、スバル「レヴォーグ」とトヨタ「カローラツーリング/カローラフィールダー」に加え、カローラフィールダーをベースとしたミツオカ「リューギ ワゴン」のみという状況です。
少し前までは、ホンダ「シャトル」やマツダ「マツダ6ワゴン」が販売されていたのですが、どちらもすでに生産終了となっています。
なぜ国産ステーションワゴンは廃れてしまったのでしょうか。
日本でステーションワゴンのブームのきっかけとなったのは、1989年に登場したスバル「レガシィツーリングワゴン」です。
それ以前の国産ステーションワゴンはあったものの、どちらかというと“商用バンの派生モデル”というイメージがあり、一般的ではありませんでした。
そんななか、バンをラインナップしていない初代レガシィツーリングワゴンがワゴン全体のイメージを刷新しました。
レガシィツーリングワゴンは、水平対向ターボエンジンに4WDを組み合わせた「ツーリングワゴンGT」で“高性能ワゴン”という新ジャンルを生み出し、当時のスキーブームも相まって大ヒットモデルとなりました。
初代レガシィツーリングワゴンのヒットを皮切りに、各社が次々とステーションワゴン市場へ参入するほど盛り上がったのですが、現在は前述のように数車種しかラインナップされていません。
なぜ、ステーションワゴンは激減してしまったのでしょうか。
ステーションワゴンのメリットといえば、低い車高でセダンのような優れた走りや乗り心地を実現しつつ、荷物をたくさん積むことができる広いラゲッジスペースを備えているという実用性があげられます。
ただし、かつてのステーションワゴン全盛期にも、荷物をたくさん積めるミニバンやワンボックスのほか、現在のSUVの前身である本格四輪駆動車「クロカン」が存在していました。
ただしこれらは重心が高いこともあって、セダンのような走行性能や乗り心地は実現できていませんでした。
そのため、走行性能・快適性能・積載性能を兼ね備えたステーションワゴンが求められたというわけです。
しかし、技術の進化もあり、現在は重心が高いSUVでも走行性能を高めることが可能となり、SUVであればラゲッジスペースを広く確保することもできるほか、高めの車高で乗り降りしやすく視界も良好。
最低地上高も高く設定されていることから、悪路の走破性も期待できるとあって各社がSUVを中心とした商品ラインナップに舵を切り、魅力的なモデルが多数登場しました。
どんなシーンでもオールマイティに活躍するSUVの台頭により、背が低いステーションワゴンを選ぶ理由が徐々に薄れてしまったのも事実。それに伴って国産メーカー各社が撤退したというのが、現在のステーションワゴンを取り巻く現状となっているのです。
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走行性能と快適性、積載性のバランスが良いのがステーションワゴンの強みですが、国産モデルは選択肢が少ないのが残念なところです。
その一方、欧州ではいまでもステーションワゴンの需要があり、輸入車ではさまざまなモデルが選べます。
街を走るクルマがSUVばかりになった今だからこそ、あえてステーションワゴンに乗ってみるのもいいかもしれません。
ステーションワゴンのレガシィ、スポーツワゴンのインプレッを含めスバル車には7台に渡りお世話になったけど、背が高くスライドドアで走りの良い欧州製ミニバンに乗ってしまったら、今までのカーライフは何だったんだろうと思った。
一回ミニバンに乗ると便利さが身に染みる。
但し、フロントガラス破損で交換の為に、現行のBOXYを1週間代車で借りたらもの凄くストレスを感じた。