斬新「“縦目”FRセダン」まもなく初公開! 全長5m級“レトロなボディ”&「白い豪華内装」のド迫力仕様! 「紫ヘッド」の直6エンジン搭載! 日産グロリアベースのNATS「和製ローライダー」に注目!
「東京オートサロン2026」に向け、日本自動車大学校(NATS)が今年も独創的なカスタムカーの製作を進めています。そのうちの1台が、約半世紀前の名車・日産「グロリア」を現代風の“紳士のローライダー”としてよみがえらせようとするプロジェクトです。実車のお披露目が迫るなか、独自取材で判明した最新状況と仕上がり具合をお伝えします。
初公開まであと1ヶ月…現在の仕様とは?
2026年1月9日から11日にかけて千葉市美浜区・幕張メッセで開催される「東京オートサロン2026」に向け、日本自動車大学校(NATS)成田校の学生たちが独自制作のカスタムカーの最終仕上げに挑んでいます。
そのうちの1台が、1969年式の日産「グロリア(HA30型)」をベースにした“紳士のローライダー”です。
2025年6月に行われた製作案発表会では、レストアと大規模カスタムを融合した挑戦的なプロジェクトとして紹介されました。
それから半年、東京オートサロン2026での初公開を目前に控えた今、このグロリアはどこまで仕上がっているのでしょうか。

NATSは整備士、カスタムビルダー、モータースポーツエンジニアなど、自動車業界の即戦力を育成する専門学校で、整備科、カスタマイズ科、モータースポーツ科、自動車研究科の4コースを設けています。
その中でもカスタマイズ科は、毎年東京オートサロンで卒業制作を発表する伝統を持ち、1997年の創設以来、数々の受賞歴を誇る“カスタムの名門”として知られています。
今回グロリアの製作を担当する班は、クラシックセダンの品格を残しつつローライダーの華やかさをまとわせることをテーマに掲げています。
縦目4灯ヘッドライトが特徴の通称“タテグロ”は、全長4690mm×全幅1695mm×全高1445mmという当時ならではの端正なプロポーションが魅力です。
直列6気筒「L20」型エンジンを搭載したFRレイアウトも相まって、旧車らしい雰囲気と走りの味わいを持つ一台です。
しかし、50年以上前のクルマをベースにカスタムを施すには、部品入手の困難さやエンジン・ボディの劣化、現代交通環境への適合など、学生にとって決して簡単ではない課題が並びます。
それでも彼らは「現代の道を堂々と走れる旧車」を目指して、日々作業に打ち込んでいます。
外装デザインの主役となるのは、ローライダーの象徴であるカスタムペイントです。ボディトップにはフレークを散りばめ、重ねた塗膜の深みを引き出すキャンディーペイントで仕上げる計画で、光を浴びれば華やかに輝く1台になるといいます。
また背面にはコンチネンタルキットを装着し、クラシックカーのような優美なリアスタイルを演出します。
内装では、白を基調に紫をアクセントにしたレザーカスタムを進めており、シート、天井、フロアマットまで徹底的なリフレッシュを施す計画とのこと。
旧車の魅力を保ちながらも清潔感のある空間づくりを目指しており、外観の華やかさとはまた違った“落ち着きの美学”が感じられます。
さらに走行面では、ローライダーの定番・ハイドロリックサスペンションを採用するものの、ショー的なホッピング用途には使わず、あくまで車高調整を主目的とした実用仕様へ仕立てる方針です。
車検適合を前提とした設計で、伝統的カスタムカルチャーと国内法規の折り合いをつける工夫が光ります。
今回、グロリア班の状況について独自取材を行ったところ、作業は最終段階へ向け大きく進展していることがわかりました。
特にリア周りのカスタムでは、トランクの延長作業が佳境を迎えているとのことです。およそ230mm延長して3ナンバーサイズへ拡大し、背負いタイヤを収めるコンチネンタルキットの造形バランスを最適化するための重要な工程だと語ります。
また、レストア作業についてもエンジンルーム、室内フロアの塗装が完了し、エンジンヘッドカバーはアクセントとなるパープルに仕上げたそうです。
続いてドア内部の塗装に着手し、車体の組み付けを経て、いよいよカスタムペイントに向けたラインテープ貼りへ移行する予定だと報告がありました。
このラインテープ作業は、最終仕上がりを左右する繊細な工程であり、学生たちも「ズレや歪みが出ないよう細心の注意を払って進めています」とコメントしています。
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NATSではこのグロリアに加え、トヨタ「ヴェルファイア」をセダンスタイルへと昇華させた「ヴェルファイアセダン」や、ダイハツ「コペン ローブ」をベースに、映画「ワイルド・スピード」に登場するトヨタ「スープラ(JZA80)」のカスタムカーをオマージュした「C91 SUPRA」など、ほかの班が手がける車両も順調に完成へと近づいています。
例年どおり、オートサロン終了後には車検を取得し、学生たちが自ら製作した車両で数百キロを走行するテストランキャラバンも予定されています。彼らの技術力を実感できる貴重な機会となるはずです。
約半世紀前の名車を、現代にふさわしい“紳士のローライダー”へと再生させようと挑むグロリア班。
果たして幕張メッセでどのような姿を見せてくれるのか、公開の日がますます待ち遠しくなります。
Writer: くるまのニュース編集部
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