マツダ新型「CX-5」登場へ! “ロータリー”搭載? 高出力化? 「自社製ハイブリッド」搭載の「大人気SUV」どうなるのか
マツダが5月10日に2024年3月期決算を発表しました。その発表の中で、マツダは、「次期『CX-5』にマツダ製のハイブリッドを搭載する計画」とアナウンスしました。次期CX-5の存在が明示されたことになりますが、どのようなクルマになるのでしょうか。
ロータリー搭載の可能性も? 新型「CX-5」登場へ
マツダが5月10日に2024年3月期決算を発表しました。その発表の中で、マツダは、「次期『CX-5』にマツダ製のハイブリッドを搭載する計画」とアナウンスしました。
つまり、正式に次期CX-5の登場が予告されたことを意味します。では、次期CX-5は、どのようなクルマになるのでしょうか。
まず、CX-5は、どのようなクルマなのかから説明を始めましょう。CX-5はミッドサイズのSUVであり、2012年に初代モデルが登場しました。現在、販売されているのは2017年2月に登場した第二世代となります。
そして、そのCX-5の発売される以前である、2000年代後半のマツダは、非常に経営的に苦しい状況でした。
リーマンショックによりフォード傘下から離脱があり、2009年には715億円もの損失を出すほどだったのです。
それを救ったのがCX-5を筆頭とする新世代商品群でした。これら新世代商品群は、魂動デザインとスカイアクティブテクノロジーを組み合わせた魅力あるクルマであり、2010年代以降のマツダの躍進の原動力となりました。
つまりCX-5は、今のマツダを支える大きな柱と呼べる存在です。
では、そんなCX-5が第3世代に進化するにあたって、どのような変化があるのでしょうか。まず、どう考えても確実なのはスモール商品のエースというポジションは継続されるということです。
マツダには、今、スモール商品とラージ商品という2つのモデルラインナップが存在します。
スモール商品群は、エンジンを横置きするFFベースのプラットフォームを使うクルマを指し、具体的には「マツダ2」「マツダ3」「CX-3」「CX-30」「CX-5」「CX-50」などが該当します。
一方、ラージ商品とは、エンジンを縦置きするFRベースのプラットフォームを使うクルマで「CX-60」「CX-70」「CX-80」「CX-90」のことを指します。
そして、ラージ商品群は2022年に導入が始まったばかりという新顔です。ラージ商品群は、名称の通り従来よりも大きなクルマということで、マツダのラインナップを上に押し広げることが期待されています。
つまり、ラージ商品群を投入することで、上位ラインナップを追加しているというのが、ここ最近のマツダの動きとなるのです。
とはいえ、上を伸ばしているから下はどうでもいいというわけにはいきません。そこで重要となるのが、従来モデルの主力となるCX-5です。
新世代に代替わりしたときに売り上げが悪化しては、会社全体が傾いでしまいます。だからこそ、次期CX-5には、魅力を高める、新しい試みや新技術が採用されることになるでしょう。
ここで注目なのは、決算での説明で、わざわざ“マツダ製”と注釈をいれたハイブリッドを搭載するという部分です。
今どきハイブリッドなどは珍しいものではありません。これまでのマツダ車にもハイブリッドがありました。
ただし、意外にも「マツダ製ではない」ハイブリッドが多かったのです。そのひとつが欧州の48Vシステムを使うマイルドハイブリッドで、このほかかつての「マツダ3」にはトヨタ製ハイブリッドシステムTHS IIを採用したこともあります。そういう意味で、ハイブリッドがマツダ製であることは重要なのでしょう。
そこでマツダ製ハイブリッドとして、どのようなものになるのかが重要です。現在のところ考えられるのは2通りあります。
ひとつは、CX-60に採用する、2クラッチ方式のハイブリッド。縦置きのエンジンとトランスミッションの間にモーターを挟む方式です。
もうひとつは「MX-30 Rotary-EV」に使われるハイブリッドです。これは、シリーズ方式ハイブリッド(駆動はモーターが担い、エンジンは発電するだけ)ですが、発電にロータリー・エンジンを使うというのがトピック。
小さくて振動の少ないロータリーは発電にうってつけだったのです。そんな2つのハイブリッドですが、それぞれに課題もあります。
CX-60のハイブリッドは縦置きエンジン用のものであり、CX-5に使うには、横置き用に作り直さなければいけないということです。しかし、大型なCX-60に使われているように十分な出力が期待できます。
一方、MX-30 Rotary-EVは、もともとFF用ですから、CX-5に搭載するのは簡単です。ところがロータリー・エンジンの出力が53kW(72PS)と小さいため、大出力のモーターを積むには比較的に大きなバッテリーが必要となります。
その分、ちょっと割高になるはずです。とはいえ、マツダ=ロータリーというブランド・イメージを強化できるとなれば、このシステムを使う大きなメリットとなるでしょう。
個人的には、わざわざマツダ製と説明しているのですから、ロータリー・エンジンを使うハイブリッドにしてほしいとは思います。
ちなみに、今回の決算発表では、「今年の後半、CX-50にハイブリッドモデルを追加」するというアナウンスもありました。
マツダ「CX-50」は北米専用車ですが、プラットフォームはFF用であり、スモール商品のひとつ。サイズ的にCX-5とは兄弟車のような関係になります。
ですから、一足先に投入されるCX-50のハイブリッドは、次期型CX-5の大きなヒントになります。まずは、年内のアメリカに登場するCX-50の内容に注目しましょう。
HEVに何を求めるのか?燃費でしょう。現状のマツダのロータリーはブァンケル型であり、熱効率は20%程度。それに引き換え他社のHEV用エンジンの熱効率は40%を超えている。HEVにロータリーを使っても燃費はガソリン車程度。ロータリーを使うメリットは無い。