11年ぶり“復活”のマツダ「ロータリーエンジン車」がスゴい! 「RX-8」以来の新型モデル登場へ 新型「MX-30」搭載エンジンの特徴とは?
復活したロータリーエンジンの特徴は?
ロータリーエンジンの特徴と言えば「軽量」、「コンパクト」、「排気量に対して高出力」ですが、これが電動化パワートレインと組み合わせる上で大きな強みとなっています。
ロータリーエンジン/ジェネレーター/モーターを同軸上に配置して一体化することでユニット全体の幅は僅か840mm。
これによりBEVモデルと同じ車体フレームへの搭載を可能にしています。ちなみにボンネットを開けると、MHEVモデル(エンジン+トランスミッション)よりもコンパクト&スッキリ見えます。
「8C」と名付けられた新ロータリーエンジンは830cc×1ローターと、従来の「RX-8」用(13B-MSP:654cc×2ローター)の改良版ではなく新規設計となっています。ちなみに1ローターと2ローターの違いよりもローター大径化など主要寸法が異なります。
●8C
・偏心量 17.5mm
・創成半径 120.0mm
・ハウジング幅 78.0mm
・圧縮比 11.9
●13B-MSP
・偏心量 15.0mm
・創成半径 105.0mm
・ハウジング幅 80.0mm
・圧縮比 10.0
数値だけだと「?」ですが、創成半径=レシプロエンジンのストローク、ハウジング幅=レシプロエンジンのボアのようなものだと思えば解りやすいでしょう。
要するに13B-MSPより実用性に振ったエンジン特性と言えるかもしれません。
ちなみに従来は鉄だったサイドハウジングはアルミに変更(マツダ独自のAPMC鋳造法で製造)することで15kg以上の軽量化と高強度を両立。これは航続距離アップも寄与しています。
ちなみにロータリー=高回転と言うイメージが強いですが、8Cは発電機のため最高回転を4500rpmに抑えています。とは言え、スペックは71ps/112Nmと同排気量のレシプロエンジンよりも優れている事が解ります。
その一方、「ロータリーは燃費が悪い/排ガス性能が厳しい」と言う声も聞きますが、その辺りも抜かりなしで、効率的な燃焼を実現させる「燃料の直噴化」や「燃焼室形状の最適化」、「EGRシステム採用」などにより燃費を改善。
WLTCモードのハイブリッド燃費は15.4km/Lと従来のロータリーを考えれば大健闘ですが、欲を言えばさらなる低燃費化にも期待したいところです。
加えて、「ロータリーは耐久・信頼性が厳しい」と言う声も聞きますが、ここも抜かりなしです。
今回燃焼室の気密性を確保するためにローターの3つの頂点に取り付ける「アペックスシール」は耐摩耗性を高めるために厚さを2mmから2.5mmに拡大したほか、ハウジングトロコイド面のメッキ変更、更にサイドハウジングの表面に高速フレーム法によるセラミック溶射の採用などにより、摩擦抵抗と摩耗の低減を実現しています。
ちなみに8C導入に合わせて生産整備も大きくアップデート。
「高精度に作る」「軽く・強く作る」「フレキシビリティ」を実現させるために、これまで培ってきた知見・ノウハウに加えて、マツダの新世代技術群「SKYACTIV」で培ったベース技術を融合させています。
その中でも高精度は素材、加工、組み立ての一気通貫により取り組みを実施します。
具体的には3Dスキャンによる寸法管理で、汎用マシニングセンター1台で全てを加工(工程集約)による寸法精度改善、ローターバランス精度向上(測定→職人技から測定→演算して自動調整加工)などが行なわれています。
ただ、唯一変わらないのはエンジン組み立て時工程でした。気密が重要となるローターのシール部の組付け・確認は機械では判別できないため、伝承された匠(現在3名在籍)の技、指先に伝わる感覚が、今も最後の品質を支えています。
つまり新型ロータリーエンジンの8C生産は、デジタルとアナログの融合と言うわけです。
組み立てられたロータリーエンジンはモータリングテスト(エンジンをモーターで駆動して確認する)でバランス精度計測(振動)とシール機能計測(圧力)を全数チェックしています。
余談になりますが、RX-8生産終了後も補修用の13B-MSP用パーツの生産は続けられていましたが、8Cの生産に合わせて同じ工程での製造方法へと変更されています。
そのため、あまり大きな声では言えませんが、以前のパーツより精度は高まっているそうです。
SUVはちょっとなあ…
ロータリーエンジンに馴染みある2ドアスポーツカーかセダンだったら良かったのに
そもそもこのエンジンはあくまで”発電機”でしないわけで、これまでの固定概念を持っていたらスポーツカーでもセダンでもガッカリ車になると思うけどな。