貴重な三菱の「2階建てキング」&「超ロングトレーラー」を運転! 公道最大級レベルの「超ド級マシン」2台はどれだけ難しい!? マニア感涙の「運転体験」 日本旅行が開催 イベントの様子は

日本旅行は2026年5月23日、「三菱ふそう二階建車エアロキング・日野プロフィア3軸牽引車トレーラー運転体験」を開催しました。大型バスと大型トレーラーを運転できるという貴重な体験会となっています。

マニア垂涎の「2階建てバス&トレーラー」運転体験が凄かった

 日本旅行は2026年5月23日、「三菱ふそう二階建車エアロキング・日野プロフィア3軸牽引車トレーラー運転体験」を開催しました。
 
 この体験会は、西日本ジェイアールバスが所有する三菱ふそうの国産2階建て大型バス「エアロキング」と、大阪府の運送会社 藤原運輸が所有する大型トレーラー 日野「プロフィア」+3軸車を運転できるという貴重なものになっています。

 晴天のもと、全国から大型車マニアが集結し、活況を見せました。

 エアロキングは、三菱ふそうが1984年から2010年まで製造・販売していた2階建てバスで、国産では最後の2階建て車両となります。三菱ふそうの大型観光・路線バス「エアロ」シリーズをベースに、リア2軸と2階建て構造を採用しています。

 2階席からの眺めの良さに加え、通常のハイデッカーバスよりも収容力があり、着席定員が増えることから、観光バスのみならず、大都市間の高速バス路線にも導入されていました。

 このうち最終型となる「BKG-MU66JS型」は2008年4月に発売。平成17年排出ガス規制に適合するために、従来のV型8気筒自然吸気ディーゼルエンジンを廃止。420馬力を発揮する12.9リッター直列6気筒ディーゼルターボエンジン「6M70」型を搭載しました。

 また安全性能の向上と、灯火に関する法規対応のためにテールランプの配置を変更しています。当時の新車価格は7266万円です。

 JRバスグループの各社では長距離路線に積極的に導入され、東京から静岡・愛知方面へ向かう「東名ハイウェイバス」や夜行の「ドリーム号」などで運用。西日本ジェイアールバスでも多数が運用されていました。

 しかし、日々の長距離運用による経年劣化は避けられず、また排気ガス規制の強化などから廃車が進み、2016年頃からは「アストロメガ」などの輸入車に更新され、多くの車両が第一線から引退。

 最終型(BKG-MU66JS)も製造終了後から10年以上が経過し、補修部品の調達も難しくなっています。

 西日本ジェイアールバスでは、1両(車番:744-9905・なにわ200か26-04)を残すのみとなりました。この1両もすでに路線の運用から退き、貸切車として余生を送っています。

 そのいっぽうで、1992年にデビューしたエアロシリーズ2世代目に共通する精悍で力強いフロントフェイスや、日本最大級の迫力のあるボディサイズ、ハイパワーなエンジン、バスでは稀になった後輪2軸の構造などが、バスファンを中心に人気を獲得。

 各社でエアロキングの体験をメインとした企画が販売され、マニアが全国から集結。最後の活躍を記録しています。

西日本ジェイアールバスの三菱ふそう「エアロキング」
西日本ジェイアールバスの三菱ふそう「エアロキング」

 日本旅行でもこれまで5度、エアロキングの体験会を開催し、いずれも数分で完売するなど大好評を得ているといいます。

 今回の体験会は5月23日、大阪市此花区の「舞洲スポーツアイランド」の特設コースで開催。敷地内のため、大型運転免許を所有しない人でも参加できました。

 また前回の体験会と同様、大阪市西区の藤原運輸の協力のもと、日野プロフィア+3軸トレーラーという、他ではめったに体験できない運転プランも同時開催で、こちらの体験を目的にしたリピーターも多くいるようです。

 会場まではJR桜島駅からエアロキングが送迎。関西屈指の観光名所である「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を目の前に、巨大ボディのエアロキングが参加者を出迎えます。

 途中、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの送迎と思われる観光バスと信号待ちで並ぶ一面もあり、背の高さの違いがはっきりとわかります。2階に乗っている参加者にとっては、この上ない優越感だったに違いありません。

 会場につくと、すでに藤原運輸のプロフィア+トレーラーが待機しており、隣にエアロキングが並んで撮影会がスタート。コースのセッティング中に、普段並ぶことのない2つの車両を前に、参加者たちは思い思いに撮影タイムを楽しんでいます。

西日本ジェイアールバスの三菱ふそう「エアロキング」と藤原運輸の日野「プロフィア」+トレーラー
西日本ジェイアールバスの三菱ふそう「エアロキング」と藤原運輸の日野「プロフィア」+トレーラー

 また体験会イベントの“裏方”として、路線バス車両のいすゞ「エルガ」(車番:531-18994・京都200か35-69・型式:2DG-LV290N2)も京都営業所からはるばる舞洲にやってきました。

 こちらはいわゆる機材車としてコースのパイロンを運ぶためのもので、乗車体験はできないものの、思わぬゲストに参加者からも笑みがこぼれます。

 ひとしきり撮影会が終わった後、いよいよお待ちかねの運転体験です。舞洲スポーツアイランドの広い敷地はパイロンでコースがつくられており、外周路のほかに、クランクやS字、鋭角、車庫入れなどのかなりの難所も数々。さながら教習所のようです。

 おそらく乗用車ならかなり広く見えるはずですが、今回用意された車両はエアロキングとプロフィア+トレーラーという超ド級モデルです。普通なら緊張するはずですが、和気あいあいとした雰囲気が流れています。

 ちなみに一度の運転体験は約20分ほど。短いように思えますが、周回に加えて、コース内の難所にも挑戦できる、たっぷりとした時間があります。走り方は自由で、周回のみでもOK。もちろん最初から最後まで難所で攻めてみるのもOKです。なんと懐の深い体験会なんでしょうか。

 参加者のなかには、果敢にクランクや車庫入れを挑戦するツワモノも。しかしやはり皆一様に苦労しています。

 特にプロフィア+トレーラーの組み合わせは、後退時に「ジャックナイフ」のように折れ曲がるため、どっちにハンドルを切っていいかわかりません。S時やクランクも、トレーラーのため内輪差がかなりあり、普通に曲がるとパイロンを轢くことになります。

 プロフィアはAMT車(セミオートマチック車)のため、シフトチェンジのことは考えなくて済むものの、かなり大変そうです。とはいえ、藤原運輸のベテランドライバーのサポートもあり、指示どおりに操作することで、なんとかクリアできています。さすがプロドライバーさん、あっぱれです。

 いっぽうのエアロキングは、なぜか参加者のほとんどがかなりスムーズに運転できています。初歩的なエンストや雑なクラッチワークもありません。

「ふつうの人ならバスなんて運転したことないのになんで上手いのか…」と思うでしょうが、それもそのはず。なんと参加者の多くが、「現役バス運転士」だそうです。

 エアロキングのような特殊車両は通常のバス会社は所有していないため、わざわざ「キングを運転したい!」とやってくるそうです。エアロキングの人気ぶりは、バスマニアだけではありませんでした。

 またプロフィア+トレーラーも、やはり現役バス運転士の参加者が多かったようです。普段乗務するバスとはまったく違う体験をする絶好のチャンスとして人気なのだとか。

 イベントを企画した日本旅行 メディア・アライアンス・トラベル営業部の山中 章雄課長はこのように話します。

「プロの方が『トレーラーやりたい』と応募するケースが多いんです。エアロキングのほうも同じで、『昔(勤め先の事業者に)あったんだけど、順番が来るまでに廃車になってしまった』とか、そういった理由で申し込んでいただいています」

 20分という体験ですが、参加者は入念にコースをチェックしたり、他人の運転(の苦労の様子)を見て楽しんだりと、楽しい時間が流れています。

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