11年ぶり“復活”のマツダ「ロータリーエンジン車」がスゴい! 「RX-8」以来の新型モデル登場へ 新型「MX-30」搭載エンジンの特徴とは?
「ロータリー」搭載モデルのMX-30は内外装に「ニクい」演出も
このようにエンジンに注目が集まりがちな新型MX-30 ロータリーEVですが、見た目も他のMX-30と少し異なります。
ひとつは車体テール右側の「e-SKYACTIV R-EV」のバッジとフロントフェンダー上のロータリーエンジン形状(中央部は発電を意味する「e」の文字)バッジ。
ちなみにオレンジの刺し色はエネルギーを生み出す力強さをイメージしていると言いますが、筆者(山本シンヤ)は1991年ル・マン24時間を制したマツダ「787B」のレナウンカラーのオレンジを思い出しました。
もうひとつは専用デザインのアルミホイール。これはリム周辺の断面を最適形状にすることで空気抵抗の大幅低減と軽量化を両立させた機能部品になります。
インテリアではホワイト/ブラウンに加えて、ブラックを追加しています。
さらに、ロータリーエンジン復活(Return)を記念した台数限定の特別仕様車「Edition R」はマローンルージュメタリック×ブラックの専用ボディカラー、エンボス加工のヘッドレスト、専用フロアマット、専用キーと言った特別なアイテムをプラス。
なかでも専用キーはキー表面パネルがローター局面と同じ角度の曲線、キーシェル表面の両端の段差はローターアペックス(シール溝)と同じ寸法と、実際に見る事ができないロータリーエンジンの内部を触覚で感じられるニクい演出が行なわれています。
MX-30シリーズの開発主査である上藤 和佳子氏は、以下のように嬉しそうに語ってくれました。
「新型MX-30 ロータリーEVはEVの可能性を広げる新たな選択肢として開発しました。
そういう意味ではロータリーエンジンは脇役なのですが、社内外の様々な声を聞いて改めてこのエンジンの知名度と偉大さを実感しています。
ちなみに役員試乗の際にみんなロータリーエンジンの音を聞きたいのか、すぐにチャージモードにしてしまうんですよ」
今回復活したロータリーエンジンは時代の変化に合わせて駆動用から発電用として進化しました。
ただ、マツダファンの多くは駆動用のロータリーエンジンにも期待しているでしょう。
その辺りをマツダの技術トップ・廣瀬 一郎氏に訪ねてみると、「やるかやらないかは別ですが、当然エンジニアは色々な事を考えていると思いますよ。例えば今は1ローターですが2つ/3つの組み合わせとか。クラッチ機構を付ければ直接駆動だって。皆さんが考える事は、我々も…。」と教えてくれました。
ただ、そのような夢物語は新型MX-30 ロータリーEVが広く普及してからの話です。
マツダの“魂”と言ってもいいロータリーエンジン、今後も継続させるためにもみんなで応援したいところです。
そして今回試乗できなかった新型MX-30 ロータリーEVがどのような走りなのか、そしてどのようなフィーリングなのかについても、大いに期待しておきましょう。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
SUVはちょっとなあ…
ロータリーエンジンに馴染みある2ドアスポーツカーかセダンだったら良かったのに
そもそもこのエンジンはあくまで”発電機”でしないわけで、これまでの固定概念を持っていたらスポーツカーでもセダンでもガッカリ車になると思うけどな。