「ユーロR」の再来か!? ホンダ新型「シビック e:HEV RS」登場! プレリュード譲りの「S+シフト」で実現した“意のままの旋回”が魅力的! 新たなスポーティモデルの実力は?
ホンダ「シビック」シリーズでは、スポーツ系のモデルが人気となっていますが、ついにハイブリッドに「RS」グレードが登場します。正式発表に先立ち、実際にハンドルを握ってその実力を試してみました。
ハイブリッドの常識を覆す“直結感”がスゴい!
まずは注目の「スポーツモード&ホンダS+シフトON」を試します。
アクセルを踏んだ時にまるでエンジンと駆動系が繋がっているかのような直結感やエンジンの伸び感、レスポンスの良さ、エンジン回転数を段階的に制御することでまるで多段化されたトランスミッションのように加速がいつまでも続くような感覚、さらにアクセルOFFでのエンジン回転維持やダウンシフト制御などはプレリュードと同じですが、パワートレインの出力や車両重量がほぼ同じにも関わらず、プレリュードより“力強さ”と“キレの良さ”を感じました。
この辺りはアクティブサウンドコントロール(ASC)の領域拡大(より低回転域から)&音量拡大(ASC出力のマルチスピーカー化)、さらにはブリッピング音や応答速度などを、より“解りやすい”方向にセットアップした所が、功を奏しているのでしょう。
個人的には、高回転域の力強さを除けば、「アコード ユーロR(CL7)」に搭載されていたバランサーシャフト付の「K20A」に近いフィーリングだと感じました。

また、パドルシフトが用意されていますが、Dレンジでのシフトダウン制御がトヨタ「GRヤリス」の8速AT「GR-DAT(ダイレクトオートマチックトランスミッション)」に匹敵するくらい人間の感性と合致しているため、無理に使わなくてもいいと思えるほどの完成度です。
フットワークはガソリン車のRSと同じ方向性のチューニングですが、約100kgの重量増や前後バランスに合わせてバネ/ダンパー、スタビライザー、ブッシュなどをe:HEV RS用に最適化しています。
タイヤはガソリン車RSと同じグッドイヤーの「イーグルF1」ですが、銘柄が「アシンメトリック2」から「アシンメトリック6」へとアップデートされています。
シビックe:HEV RSの走りは、通常のe:HEVに対して全てがシャキッとしており、体感的に50~70kgくらい軽量に感じるほどの動きを見せます。まさに開発コンセプト「爽快エボリューション」にふさわしい仕上がりです。
細かく言えば、通常のe:HEVよりもスッとノーズが入る初期応答と絶妙な塩梅に抑えられた姿勢変化により、旋回姿勢を作りやすいのが特徴。その結果、4輪をより効果的に使うことができ、フロントはアンダーステア知らずでグイグイと入り、リアはどっしりと安定する、まさに「意のままの旋回」が可能です。
その走りはガソリン車のRSとほぼ同等、いや、条件によっては上回るとさえ感じました。
この辺りはe:HEVの素性(低重心化や前後重量配分最適化)とそれに合わせたサスセットと新タイヤの相乗効果ですが、RSとe:HEVそれぞれの旨味を絶妙なバランスで融合させたエンジニアの手腕が大きいと言えます。
乗り心地についてはノーマルより硬めながらも、入力の丸さや無理に抑えない吸収性(シュッではなくスーッという減衰)などにより、スポーティモデルとしては十分すぎるほどの快適性を備えています。
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シビックに搭載されるスポーツe:HEVは、世にあるハイブリッドの中で最もクルマ好きが納得できるシステムだと思ってきましたが、これまではクルマとして“何か”が足りないと感じていたのも事実です。
しかし、ホンダS+シフトと専用のフットワーク&内外装という武器を備えたシビックe:HEV RSの登場により、その突破口が少し見えたかなと感じました。
ホットとクールのバランスの良さから、RSというよりも「タイプS」、あるいは「ユーロR」と呼んだほうがふさわしいと思える1台に仕上がっているのではないでしょうか。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。



































