日産の「四駆SUV」! つるつるボディ&高性能4WD採用! クーペな美麗スタイル×Vモーショングリルがイイ「チルアウト」とは
日産が2021年に公開したコンセプトカー「チルアウト」は、その名の通り「くつろぎ」をテーマにしたクロスオーバーEVでした。新型「リーフ」の原点ともなったこのモデルは、いったいどのようなクルマだったのでしょうか。
「くつろぎ」を極めた次世代クロスオーバー
自動車メーカーが発表するコンセプトカーには、遠い未来の夢を描いたものと、近い将来の市販化を示唆するものの2種類が存在します。
2021年11月、日産自動車が長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」の中で公開したコンセプトカー「チルアウト(Chill-Out)」は、間違いなく後者に分類される一台でした。
同時に公開された他の3台、マックスアウト(Max-Out)、サーフアウト(Surf-Out)、ハングアウト(Hang-Out)がオープンカーやピックアップトラックといった遊び心あふれる未来的な造形だったのに対し、チルアウトだけは極めて現実的かつ洗練されたクロスオーバータイプのフォルムをまとっていました。
車名である「Chill-Out」は英語のスラングで「くつろぐ」「落ち着く」などの意味を持ちます。その名が示す通り、開発テーマには単なる移動手段ではなく、ドライバーや乗員にとっての「モバイルヘイブン(動く隠れ家)」を目指すことが掲げられました。

エクステリアは、新世代の日産EVを象徴する先進的でエモーショナルな造形が特徴です。ボディ全体は流麗でなめらかな面構成とし、空気抵抗を抑えるスリークなシルエットを採用しています。
フロントマスクは、物理的なVモーショングリルに代えて、LEDのライティングでVモーションを表現。ヘッドライトとシームレスにつながる処理により、EVらしいクリーンさと一目で日産と分かる個性を両立しています。
リアはテールランプを含むパネル全体をブラックアウトし、点灯時に長方形のグラフィックが浮かび上がる近未来的な意匠を採用。ボディサイズの詳細は非公表ながら、Cセグメント級のワイド&ローなスタンスが強調されています。
インテリアは「動く隠れ家」の思想を最も色濃く体現。モダンなラウンジのような広々とした空間に、ダッシュボード全面の大型ディスプレイを組み合わせ、移動中や停車中に映画や音楽を楽しむシアター的な使い方も提案されました。
また、高い静粛性と快適な座り心地により、移動そのものがくつろぎの時間へと変わります。
走りを支える技術には、日産の最新テクノロジーが投入されています。
プラットフォームはEV専用の「CMF-EV」を採用し、パワートレインには四輪統合制御技術「e-4ORCE」を搭載すると明言。前後モーターとブレーキを統合制御することで、力強く滑らかな加速と、フラットで快適な乗り心地の両立を目指しています。
先進運転支援も進化版プロパイロットの採用が示され、高度な安全性能を備えたパッケージとされました。
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発表当時はその完成度の高さから、SNSや自動車メディアで「次期リーフの有力デザインスタディ」「アリアの弟分」といった期待が高まりました。
2025年10月に登場した第3世代新型リーフにもチルアウトのデザインコードと思想が色濃く受け継がれており、同モデルが単なるショーカーを超え、量産車の方向性を示す重要な道標だったことが裏づけられています。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。























