トヨタがクルマをスマホ化? 「繋がる機能」はユーザーの心をつかむのか
今の自動車業界のキーワードは「CASE」だといわれます。Connected(接続/通信)、Autonomous(自動運転)、Shared(共有)、Electric(電動)が、互いに関連性を持ちながら進化しています。これらの中で実際の使い勝手やメリットをイメージしにくいのが、接続/通信のコネクティッド、いわゆる「繋がる機能」ではないでしょうか。
使い勝手やメリットをイメージしにくい、いわゆる「繋がる機能」
今の自動車業界のキーワードは「CASE」だといわれます。Connected(接続/通信)、Autonomous(自動運転)、Shared(共有)、Electric(電動)が、互いに関連性を持ちながら進化しています。
自動運転、電動、共有は、比較的分かりやすいでしょう。ドライバーを不要にする自動運転の完全な実用化はまだ遠い将来の話ですが、各種の実証実験が行われています。電動については、日産リーフなど、車種は少ないですが電気自動車が市販されています。共有は、単純な形態ではありますが、カーシェアリングがすでに機能しています。
これらの中で実際の使い勝手やメリットをイメージしにくいのが、接続/通信のコネクティッド、いわゆる「繋がる機能」ではないでしょうか。
2018年6月26日に発売されたトヨタの新型クラウンと新型カローラスポーツには、専用通信機能のDCM(Data Communication Module)が標準装着されています。
トヨタが強くアピールしているのは、安全性を高める通信機能を充実させたことです。エアバッグが作動した時に、オペレーターが対応して消防や警察に取り次ぐ機能は、交通量の少ない場所で単独事故を起こした時の安全性を高めます。緊急自動ブレーキやエアバッグなどと同等の高性能な安全装備です。
このほか便利な使い方として、LINEのトーク機能でナビの目的地を設定したり、天気などの情報を得られます。また専任のオペレーターが、ナビの目的地をユーザーに代わって設定する機能などもあります。
これらのコネクティッド機能は、今後進化する自動運転やカーシェアリングを含めた最先端技術の中核に位置付けられます。自動運転やカーシェアリングは、いずれも通信機能が不可欠になるからです。
カローラスポーツの開発者は「DCMを全車が標準装着して通信機能を漏れなく使えることが、ほかの車種(インプレッサスポーツやアクセラスポーツ)とは違う、カローラスポーツの大きなメリットです」と述べています。
しかし「コネクティッドのすべてが必要不可欠な機能か」と問われると、疑問も生じるでしょう。LINEでナビの目的地登録が行える機能などは、ユーザーによってニーズが分かれます。