なぜ高速料金所は渋滞でも「全レーン開放」しない? 開ければいいのに…「意外な理由」とは
大型連休や帰省ラッシュ時、高速道路の料金所で一部レーンが閉鎖されている光景を見かけることがあります。なぜすべて開放しないのでしょうか?
料金レーン一部閉鎖の理由とは
毎年恒例となっているGWの高速道路渋滞。混雑時だけでなく、渋滞時にも一部のレーンが閉鎖されていることがあります。すべて開放すれば渋滞が緩和されるように思えますが、実際にはそうではありません。
なぜ高速料金所は渋滞でも「全レーン開放」しないのでしょうか。

そもそも、現在の料金所に設置されているレーン数は、現金支払いが主流だった時代の名残です。当時は一台ずつ停止して支払いと釣り銭の受け渡しを行っていたため、スムーズに通過するために多くのレーンが必要でした。
しかし、2002年にETCが導入され、無線通信による自動料金収受が可能となったことで、レーンでの処理時間が大幅に短縮されました。現在ではETC利用率が90%を超え、現金支払いの割合はごく少数になっています。
このため、必要なレーン数はETC普及以前に比べて大幅に減少しましたが、既存のレーン設備を撤去するのは難しいため、利用状況に応じて一部レーンを閉鎖して運用されています。NEXCO中日本も「利用状況に応じて一般レーンは閉鎖している」と説明しており、当日の交通量によって閉鎖レーンを開放する場合もあるといいます。
また、料金所通過後に渋滞が発生するのを防ぐため、あえてレーンを制限するケースもあります。無理にレーンを開放すると、料金所を抜けた先で合流が増え、かえって交通の流れを乱すおそれがあるためです。
一方、料金所付近で渋滞が起こる主な原因は、レーン数ではなくドライバーの運転行動にあるといわれています。ETCレーンを通過する際には時速20km以下で徐行する必要があり、減速により後続車との車間距離が縮まります。このときブレーキを踏む車両が続出すると、連鎖的に流れが乱れ、渋滞を引き起こす要因になります。
さらに、待機列ができると少しでも早く通過しようと列を変更する車両が現れ、これもさらなる混乱を招きます。慣れないドライバーがどのレーンに並ぶか迷って立ち止まるケースもあり、料金所付近のスムーズな流れが妨げられます。
スムーズに料金所を通過するには、事前に通過予定のレーンを決めておき、カーナビなどでレーンの種類や位置を確認しておくと効果的です。
最近では一部カーナビやスマートフォンアプリで、料金所の「ETC専用」「一般レーン」「混雑状況」を事前に表示できる機能も搭載されています。目的地設定の際にあわせてチェックしておくと、よりスムーズに料金所を通過できるでしょう。
また、車間距離を意識しながら早めに減速し、後続車に影響を与えない運転を心がけることが重要です。
なお、ETCレーンが混雑している場合は、有人の一般レーンを利用することも可能です。この場合、通行券の代わりにETCカードを車載器から取り出して、有人ブースのスタッフへ渡すことで、精算処理ができます。
高速道路各社は現在、ETC専用料金所への移行を進めており、今後はさらに通過の効率化が図られる予定です。これにより、渋滞緩和がさらに期待されています。
とくに大型連休や行楽シーズンなど交通量が増える時期には、普段以上に周囲の状況に注意し、焦らず、冷静な運転を心がけることが大切です。ほんの少しの心がけが、事故防止につながります。
何で日本のETCはゲイトがあって徐行せにゃならんの?USの我が州の橋などの課金道路は全車フルスピード通過よ。「タグ」と呼ばれる車上子を備えている車は前払い残高から自動課金、そうでない車はライセンスプレートの写真を撮られて後日郵便で請求。日本に行くたびにあのETCの徐行でイラッとする。