トヨタが「4人乗り超高性能スポーツカー」を実車公開! 「2000GT後継!?」モデルは時速300キロ達成! V8×6速MT搭載の「4500GT」コンセプトカーとは
「オートモビル カウンシル2025」のトヨタブースでは、1989年に発表されたコンセプトモデル「4500GTエクスペリメンタル」が展示され、多くの来場者から注目を集めていました。
1989年発表の「高性能コンセプトカー」が眼前に!
「3日間だけの夢の自動車博物館」をテーマに2016年に初開催された「AUTOMOBILE COUNCIL(オートモビル カウンシル)」。
2025年で10周年を迎えた今年は、規模を拡大して4月11日から13日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されました。

自動車メーカーやインポーター、ヘリテージカー専門店が集結した会場では、過去の名車の展示・即売に加え、イベントのテーマに沿った希少モデルも登場し、多くの来場者を魅了しました。
今年のテーマは、前年に引き続き「クルマを超えて、クルマを愉しむ Classic Meets Modern and Future」。
このテーマに合わせて、トヨタは1989年のフランクフルトショーと第28回東京モーターショーで披露したコンセプトカー「4500GT」(正式には4500GTエクスペリメンタル)を展示し、注目を集めました。
「エクスペリメンタル」とは「実験的な」「試験的な」を意味し、4500GTはその名の通りトヨタが次世代高性能スポーツカーを目指して開発したモデルです。
そこでトヨタは、「2000GT以来の本格派スポーツカーを、より高度なテクノロジーで開発したい」という思いから、4500GTの開発に着手しました。
1960年代の2000GTに続く本格派スポーツカーとして、時速300km/hの走行性能をはじめ、実用性を備えた後輪駆動(FR)の2+2パッケージ、さらにドライバーの意思に忠実な走りの実現を目指して、開発が進められました。
搭載されたエンジンは、一世を風靡した高級セダン「セルシオ」(初代)に採用された4リッターV型8気筒DOHC「1UZ-FE型」をベースに、排気量を4.5リッターに拡大し、5バルブ化。
最高出力は300ps/6600rpmを発揮し、6速MTを介して後輪に伝達されます。0-400m加速13秒台、0-100km/h加速は7秒以下という性能を発揮しました。
また、理想的な前後重量配分50:50を目指し、エンジンをフロントミッドに、トランスミッションを後方に配置した「トランスアクスル」方式を採用。
CFRPハニカムパネルをフロントフードやフェンダー、バックドアに用いることで車重を1450kgに抑え、高剛性・軽量な車体も実現しています。
時速300km/hを目指すクルマとなると、レーシングカーのようなデザインを想像しがちですが、4500GTはオーバーフェンダーすら持たない滑らかな外観が特徴です。
現在の高性能車とは一線を画すそのフォルムは、今なお未来的な印象を与えます。長いルーフラインと立ち気味のリアウィンドウを備えた「風が磨いたフォルム」と称されるスタイリングは、空気抵抗係数(cd値)0.29という優れた数値を達成していました。
一方でインテリアには既視感もあり、どこか「スープラ」(A80型・80スープラ)を彷彿とさせる造形が見られます。しかしこれは高速走行試験を経て裏付けられた、視認性・操作性・安全性といった本質的な機能を重視した結果。
インストルメントパネルは「溶けたガラスが固まるような優美なデザイン」と表現されていました。
さらにトヨタブースでは、「セリカ」や3台のスープラ(A70型・A80型・現行A90型)とともに、TOYOTA GAZOO Racingが展開する、トヨタ車の純正パーツの復刻を行う「GRヘリテージパーツ」の取り組みも紹介。
トヨタが4500GTを展示した理由として、「Classic Meets Modern and Future」というイベントテーマに沿うモデルであること、4500GTのインテリアが80スープラのルーツであり、その技術が80スープラに継承されていることを挙げています。
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発表当時に「すごいな!」と憧れたコンセプトカーが、仕切りや柵もなく間近でじっくりと見ることができる…そんな非日常的な体験も、オートモビル カウンシルならではの魅力と言えるかもしれません。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
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