全長5m! スバル「新型アセント」日本導入で“3列シート搭載”モデル復活へ! 久々の「7人乗りスバル」登場で再注目したい“異色の快速ミニバン”! 走りを諦めない名車「トラヴィック」とは!
スバルが日本導入を本格的に検討開始している大型3列SUV「アセント」。日本上陸が実現すれば、スバルにとって久々のマルチシート車の復活となります。そんな同社の歴史を遡ると、過去にはユニークなアプローチで多人数乗車市場に挑んだミニバンが存在していました。
久々の「7人乗りスバル」登場で再注目したい“異色の快速ミニバン”!
「3列シート」を備えた多人数乗車モデルの不在が続いていたスバルの国内ラインナップに、待望のニューモデルが加わる可能性が浮上しました。
2026年6月6日、スバルは北米市場で高い人気を誇る大型3列SUV「アセント」について、日本導入の検討を本格的に開始したと公式に発表したのです。
先述のように、同社は現在、国内の新車市場において多人数乗車が可能なモデルを販売しておらず、ファミリー層やグループでのレジャーを好むユーザーにとって、この発表は大きな注目を集めています。
新型アセントの上陸が実現すれば、スバルにとって久々のマルチシート車の復活となりますが、同社の歴史を遡ると、かつて2000年代初頭に、非常にユニークなアプローチで多人数乗車市場に挑んだミニバンが存在していました。
そのモデルこそが「トラヴィック」です。
2001年に登場したトラヴィックは、スバルが独自に開発・生産した車両ではなく、当時資本提携を行っていたゼネラルモーターズ(GM)のネットワークを駆使して誕生。
ベースとなったのは、ドイツのオペルが開発し、欧州市場を中心に高い実用性で評価されていたコンパクトミニバン「ザフィーラ」です。
これをタイにある工場で生産し、スバルブランドのバッジを装着して日本へ輸入・販売するという、いま思えば極めて先進的な分業体制を採用していました。

この成り立ちゆえに、トラヴィックはスバルの代名詞とも言える独自メカニズムについては非搭載。
エンジンは「水平対向」ではなく通常の直列4気筒であり、駆動方式も四輪駆動(AWD)ではなく、前輪を動かすFF方式が採用されていました。
分かりやすい「スバルの象徴的なアイコン」が見当たらないことから、発表当時は純粋なファンから戸惑いの声も上がりましたが、実際に走り出すとその高い実力が証明されることになります。
トラヴィック最大の武器は、当時の日本の一般的なミニバンとは一線を画す、欧州仕込みの圧倒的な走行性能にありました。
ドイツの高速道路をハイスピードで巡航することを想定して設計された骨格は極めて強固で、しなやかに路面を捉える足回りと相まって、大人数を乗せて高速道路を走る際にもふらつきや揺れを一切感じさせない、卓越した直進安定性と正確なハンドリングを実現。
当時の日本のミニバン市場では、室内の広さやスライドドアの利便性が最重視され、走行性能が二の次になりがちだったのに対し、トラヴィックは「7人が安全に、そして乗用車と変わらない操縦性で移動できること」を最優先に仕立てられていたのです。
また、室内空間の設計も合理的でした。
全高を低く抑えたヒンジドアスタイルながら、3列のシートすべてに大人がしっかりと座れるホールド性とクッション性を確保。
さらに、3列目シートを床下に完全に格納できるシステムなど、使い勝手の良い多彩なレイアウトが用意され、荷物の量に応じた柔軟な運用が可能でした。
くわえて、本家よりも装備を充実させながら、車両価格を低く抑えたことも大きな特徴で、走りにこだわるユーザー層から「隠れた名車」として高い信頼を獲得しました。
しかし、当時の日本は空前のスライドドアミニバンブームであり、「ヒンジドア」を備えたトラヴィックは、利便性を最重視する一般的な層には十分に浸透しきれず、2005年頃に国内での販売を終了しました。
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今回、日本への導入検討が発表された新型アセントは、全長5mに迫るボディに自社開発の水平対向エンジンとシンメトリカルAWDを搭載した本格的な最新SUVであり、かつてのトラヴィックとはサイズも成り立ちも異なります。
しかし、どれだけ時代が移り変わり、車両のカテゴリが変化したとしても、「多人数乗車であっても、走りの質や安全性能、出来れば運転する喜びを絶対に妥協しない」というスバルの思想の根底は、25年前にトラヴィックが提示した価値観と通じるものです。
かつて欧州の設計思想を取り入れて日本のミニバン界に一石を投じたスバルの多人数乗車モデルの伝統が、最新のフラッグシップSUVという形でどのように現代に受け継がれるのか、その動向に期待が高まります。
Writer: くるまのニュース編集部
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