なぜ“教習所”で「車の“給油方法”」教えてくれない? 教えない理由は? 正しい“給油”ルールとは
クルマの免許を取得する際、教習所に通う人も多いと思いますが、教習を受けるなかでクルマの給油方法は教えてくれません。これについて、千葉県公安委員会指定自動車教習所で教官をしているAさんに話を聞きました。
教習所でガソリンの給油方法を教えてくれないのはなぜ?
クルマの免許を取得する際、教習所に通う人も多いと思いますが、教習を受けるなかでクルマの給油方法は教えてくれません。一体なぜなのでしょうか。

教習所ではクルマの基本的な基本操作や、走行方法など、クルマを運転する上で欠かせない基礎を学びますが、実は「燃料の給油方法」については教わる機会がありません。
一方で最近のガソリンスタンドでは、自身で給油を行うセルフ式が数多く存在します。
免許取り立ての際、初めてセルフ式で給油する際は、手順が分からず戸惑ったり給油の仕方が分からずに困った人もいるかもしれません。
SNSにてセルフ給油についての意見をみると、「教習所で給油のやり方も教えるべきやと思う」「セルフスタンドが主流になってきてるし、給油の仕方も絶対教習所で教えた方がいいと思う」「S字クランクとかより給油の仕方教えて欲しかった」と、教習所で給油の方法を教えてほしいと思っていた人も少なくないようです。
では一体なぜ教習所で給油方法を教えてくれないのでしょうか。これについて、千葉県のある教習所の教官Aさんは、「教習所で教えるカリキュラムにないのが理由です」と話します。
一般的に多くの人が通う、公安委員会指定の自動車教習所では公安委員会が定めた教習カリキュラムに沿った教習を行い、技能検定などの工程に進んでいきます。
この教習で教わるカリキュラムには、クルマの燃料の給油方法という項目が存在しないため、わざわざ教習で時間を設けて給油方法を教える時間がないというのが理由です。
一方で前出のAさんは「確かに教える機会は少ないですが、聞かれたら説明しますし、教習車のガソリンが足りないという時に近くに生徒がいたら教えることもありますよ」と話します。
さっそくセルフ給油の方法を教えてもらいました。Aさんは以下のように手順を説明します。
「まず、おおよそのクルマで車内に、給油口のレバーがあるので、これを引きます。
給油口のカバーを開けるとガソリンの種類が書いてあります。軽油が安いから軽油を入れるなど、間違ったガソリンを入れないよう、指定された正しい種類のガソリンを入れてくださいね。
それからガソリンスタンドではタッチパネルなどの操作に従ってガソリンの種類を選択して、給油を行います。
給油ノズルに触れる前には静電気除去パッドにタッチするのを忘れないようにしましょう。
その後ノズルレバーを引いて給油を行います」
手順の最後にAさんは「そこまで難しくないので何回か行えば慣れますよ」と話しており、免許取り立てであったり、セルフ給油を行ったことがなく不安を感じる人も回数を重ねていく上で自然に身についていくものといえるでしょう。
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今回取り上げたセルフ給油の方法について、すでに給油に慣れているユーザーからは「教わらなくてもできるでしょ」「教わらないとできないなんて…」「自分で給油するのなんて簡単」といった声も見られます。
普段からクルマの運転を行い、日常的に給油を行うユーザーからすれば特別難しく感じることはないかもしれません。
一方で、ガソリンは消防法で規制される「危険物」であり、小さな火源でも燃焼する性質がある可能性があることを忘れてはいけません。
上記の教官の説明にもある通り、給油を行う前に静電気除去パッドに触れることや、ガソリンを入れる際は必ずエンジンを停止すること、また火災の原因になるようなもの、例えば電子タバコなどであっても持ち込みは厳禁です。
このため、クルマの運転に不慣れな初心者の頃や、ガソリンの取り扱いについて知識がない場合には、事前に教習所の教官や、ガソリンスタンドのスタッフ、給油に慣れた人に手順を聞いておくのが安心です。
Writer: 青田 海
2023年4月よりライターとして活動を開始。初心者にもわかりやすく読みやすい構成を心がけ、自動車を中心に新車情報、カーライフにまつわる話題など幅広い記事を執筆している。芸能分野に詳しい。

















