「農道の“ポルシェ”」!? スポーティすぎる「軽トラ」が大人気! “スバル製”「サンバー」15年落ちでも「高値で取り引き」される理由とは

スバル独自の「唯一無二」なパッケージとは

 ポルシェのメカニズムと聞いて思い出されるものに、「RR方式」があります。

 RRとは、エンジンが後輪よりも後方に載せられ、後輪を駆動する方式のこと。現在日本で最も普及しているFF方式(前輪駆動)の真逆と考えるとわかりやすいでしょう。

6代目のスバル製「サンバー」までは独自の「RR」レイアウトを採用していました[Photo:SUBARU]
6代目のスバル製「サンバー」までは独自の「RR」レイアウトを採用していました[Photo:SUBARU]

 このRR方式を取り入れている代表車種がポルシェのスポーツカー「911」であり、ポルシェの象徴的なメカニズムとなっています。

 なぜ、こんな話をしたかというと、ダイハツOEM以前、6代目(TT型)までのサンバートラックが、まさにRR方式を採用していたから。

 この方式を採用した理由は、後部からエンジンにすぐ手が届くという整備性と、後輪のトラクションでした。

 軽トラックは、現在も基本的に後輪駆動がメインですが、これには問題があります。

 荷物を積まなければ後輪にかかる荷重が軽いため、後輪が空転しやすいのです。

 この問題を解決すべく、当時のサンバーはRRを採用しました。そしてこの方式がサンバーのアイデンティティとなり、人気を支える要因となっています。

 また、エンジン自体にも特徴がありました。

 軽自動車がメインで使用しているエンジンは直列3気筒です。しかしサンバーは、5代目・6代目と直列4気筒エンジンを採用したのです。

 軽自動車でRR(パートタイムAWD)で直4エンジン搭載。6気筒ではないものの、その方式から農道のポルシェという愛称も付けられました。

 中でも6代目「TT型」は、RR方式を採用する最後のサンバートラックとあって、今もスバルファンを中心に高い人気を誇っているというわけです。

 TT型サンバートラックが生産されていたのは1999年~2012年と、新しいものでもすでに10年以上が経過していますが、低走行で程度のいい個体では200万円を超える価格で取引されています。

 軽トラックとしては異常をともいえるプレミア価格を見れば、このクルマの人気のほどがわかるでしょう。

 特に「インプレッサWRX」と同じ「WRブルー」のボディカラーを持つ特別仕様車は、さらに高値がつけられています。

※ ※ ※

 サンバーにはさらに特殊な仕様車が存在し、マニアに人気があります。

 それが通称「赤帽サンバー」です。

 エンジンは耐久性を高めた専用品で、サスペンションも四輪独立縣架と、まさにメーカーチューニングが施された逸品でした。

 ポルシェ911に例えれば「GT3」といったところでしょうか。

 RR・AWD・マニュアルトランスミッションというパッケージの小型トラックは、世界的に見ても類がない存在です。

 今後も人気は衰えず、ますます高まっていくのではないでしょうか。

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Writer: type-e

初心者向けお役立ち情報からマニアックな車種解説まで、幅広いクルマコンテンツを制作するコンテンツメーカー。芸能人・有名人のカーライフもウォッチ。

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