トヨタ「bB」約10年ぶりの復活か!? 箱型「ワル系」コンパクトが超カッコイイ! 全長4m以下の市販版「新型カヨイバコ」はどうなるのか

トヨタが「ジャパンモビリティショー2023」で初公開した「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」は、将来の市販化に向けた検討も行われているようです。どのようなクルマになるのでしょうか。

2000年代初頭に大ヒットした「bB」復活なるか!?

 トヨタが2023年10月、第1回「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」で初公開した「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」は、商用バンの機能性を突き詰めたコンセプトカーですが、個人ユーザーの需要も考慮された提案モデルが、かつて販売していたコンパクトカー「bB」に似ていると話題になりました。
 
 近い将来の発売も大いに期待されるところですが、市販版カヨイバコは今後どのように進化していくのでしょうか。

ハコ型コンセプトカー「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」は次期「bB」なのか!?[写真は「bB+ CONCEPT」]
ハコ型コンセプトカー「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」は次期「bB」なのか!?[写真は「bB+ CONCEPT」]

 トヨタによると、カヨイバコは「好きなときに・好きな場所で・好きなことができる」モビリティの未来を実現するBEV(バッテリーEV:電気自動車)のコンセプトモデルだといいます。

 使用目的に応じて内外装のパッケージを変えることができる超拡張性能があり、ラストワンマイルのような小口輸送に使うようなビジネスユースから、パーソナルやカップル、ファミリー層が使うプライベートユースまで、ベース車両として様々なシーンでのニーズに応えるべく、役割に応じたカスタマイズが可能としています。

 またカヨイバコはこうしたハード面だけでなく、ソフト面でもカスタマイズが可能としているのも特徴です。

 例えば自動運転によって拠点間を行き来しながら部品や製品を安全かつ効率的に運ぶ「スマートグリッド」など、知能化された社会システムの一部として、活躍が期待できると説明します。

 さらには、座席を増やして「乗り合いバス」として活用したり、車いすを利用する人も乗り込みやすく運転席に移動しやすい設計にするなど、移動の自由も貢献できるとしています。

 確かにカヨイバコのインテリアは、低くフラットな床面となっていることから、多くの荷物を積むことができますし、実現すれば、ビジネスユースからプライベートユースまで、便利な乗り物になるものと考えられます。

 このカヨイバコについて、JMS2023の発表時に公開された画像のなかに「bB+ CONCEPT(コンセプト)」と記された黒いボディと大径ホイールを組み合わせたカヨイバコのカスタムモデルが描かれていました。

 bBとは、2世代に渡ってつくられたトヨタのコンパクトハイトワゴンです。

 2000年にデビューした初代モデルは、当時のコンパクトカー「ヴィッツ」シリーズのワゴンモデル「ファンカーゴ」と同じプラットフォームを採用。

 箱のような四角いシンプルなデザインが新鮮で、また価格もお手頃だったことなどから自分好みにカスタマイズするベース車としては最適と若者たちに大ヒットしました。

 初期受注は3万台にもなり、当時のライバルだったホンダ「S-MX」を完全に打ち負かしたといわれるほど、人気があったモデルでした。

 また2005年に登場した2代目も、初期受注は1万2500台に到達。初代に比べ、うねりが加えられた派手な内外装デザインとなりましたが「つくりが良く、しかも安い」と、若者だけでなく幅広い年齢層から支持されましたが、2016年登場の「ルーミー(および姉妹車の「タンク」)に譲るかたちでモデル消滅しています。

 このbBの次期モデルとして、カヨイバコのデザインが採用される可能性ですが、筆者(自動車ジャーナリスト 吉川 賢一)は大いにあると考えています。

 ビジネスユースにも、プライベートユースにもなるカスタマイズ性や、高い商品力ながら誰もが買いやすい価格を実現する点など、かつてbBが大ヒットした理由と、KAYOIBAKOのコンセプトには合致するところが多くあります。

 デビュー時期は早くとも2025年以降となるでしょうが、あのbBがカヨイバコのデザインをまとって約10年ぶりに復活するとなると、再び人気モデルとなることは必至でしょう。

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