クルマに乗ると現れる「謎の眠気」なぜ!? 心地イイ「ほどよい揺れ」は大敵? 眠くなる「メカニズム」の「対策」とは
クルマに乗ると不思議と「眠くなる」ことがありますが、どうしてでしょうか。仕組みと対策について考えます。
なぜだかだんだん「眠くなる」理由とは
乗る前は眠くなかったのに、クルマに乗ると不思議となぜかいつも「眠くなる」……。
どうして眠くなるのか、その「仕組み」と、眠くならないための「予防策」について紹介します。
クルマに乗ると眠くなる原因はいくつか考えられます。まず考えられるのが「走行中の音や振動」です。
クルマに限らず、電車に乗っても同様に眠くなるという人は多いかと思いますが、単調な音や振動という環境が続く走行中の車内は、人の眠気を誘いやすいといいます。
日本機械学会誌に掲載されている木村仁教授の研究によると、ヒトは2Hz(ヘルツ:1Hzは1秒間に1周期の振動をする揺れ)以下の低周波振動を多く含み、10Hzから20Hzの振動があまりない振動パターンにおいて、眠気を誘われるとのこと。
デコボコしていない高速道路を走っていると、フワフワとした乗り心地に感じることがありますが、ちょうどあのくらいの上下の揺れが1Hzから2Hzです。
10Hzから20Hzというのは、荒れた道を走った特のようなブルブルするような振動に相当します。
このブルブル振動があまりない舗装された道を走行していると、眠気を誘われるようです。
また、人間の生体リズムも関係しているようです。
日本自動車研究所がまとめた「居眠り運転に関する交通事故統計データの分析」によると、ヒトの睡眠覚醒リズムは、約1日を周期とする概日リズムのほか、約0.5日を周期とする概半日リズムという生体リズムもあり、これによって14時ごろにも覚醒度が低下する傾向があるそう。
実際、同分析結果によると居眠りによる交通事故がもっとも多いのは深夜から早朝ではあるものの、14時頃にもピークが存在しているとのこと。
この生体リズムによって眠くなってしまった結果、事故が発生したことが考えられます。
ほかにもドライバーであれば、高速道路など、景色や状況の変化が少ない環境が長く続くことで緊張感をなくしがちになり、睡魔に襲われやすくなるということも考えられます。
さらに食事をとった後であれば、血糖値が急激に上昇して急低下することで、脳に供給される糖が不足し、強い眠気を引き起こすことが考えられます。
また、カーエアコンを内気循環していることによる二酸化炭素濃度の上昇も、疲れや眠気を感じやすくなる原因となっているようです。
緊張感が足りない。交差点や人家の出入り口では、不測の事態がおこりえることを意識していれば、そんなに簡単に眠気をもよおすことはない。
一般道で、そのような状態で運転しているのなら、運転不適格者として、年齢にかかわらず、免許返納を考えるべきだ。