車の「オルガンペダル」なぜ採用? デメリットも存在? かつては「高級車の代名詞」も普及価格モデルにも続々増加
多くのクルマに採用されることの多い「オルガンペダル」は、通常のものと比べ、どのような特徴があるのでしょうか。
人体に忠実な「オルガンペダル」 一部では否定的意見も
近年、クルマのアクセルペダルに「オルガン式ペダル(オルガンペダル)」が採用されることが増えてきています。
通常のペダルとはどのように異なるのでしょうか。
アクセルは、ブレーキやクラッチなどのほかのペダルやハンドル(ステアリング)、トランスミッションなどとともに、クルマの運転をつかさどる重要な操作系統です。
このアクセルペダルに、近年オルガンペダルと呼ばれるものを採用している車種が増えてきました。
実はオルガンペダルは近年登場した装備ではなく、トヨタ「クラウン」や「センチュリー」、日産「スカイライン」などの国産高級車に加え、メルセデス・ベンツやBMWなどドイツ車の多くの車種でも従来から採用されています。
さらに近年ではトヨタのSUV「RAV4」や「ハリアー」、EVの「bZ4X」などの普及価格帯の車種にも採用され、2023年1月に発売された新型「プリウス」にも装備されたことで、一部で話題になりました。
なお、マツダでは2012年発売の「CX-5」から採用され、現在ではコンパクトカー「MAZDA2」をはじめ全車に装備しています。
通常形状のペダル「吊り下げ式アクセルペダル」は上部を支点して吊り下がるように装備されていますが、オルガンペダルは床面から生えたような形により、下部が支点となる動作をします。
トヨタの開発担当者はオルガンペダルのメリットについて、過去の取材で以下のように話します。
「オルガンペダルは足全体で踏めることによって自然なアクセルワークができます。
また、ペダルを踏む動作が足を動かす動作と一致するため、長距離のドライビングでも疲れにくいです」
フロアを支点にするオルガン式ペダルは、ペダル上部が奥へ倒れる構造です。
この形状によりアクセルを踏む際に、かかとを支点につま先を屈曲する動作とペダルの先端が車両前部に向かってへ倒れる動線が一致します。
一方で、吊り下げ式ペダルは足全体がペダルにしっかりとかからない上に、ペダルを踏み込む際は右足全体を動かす動作が必要になります。
このように、オルガンペダルは人体の構造に合った自然な動きをすることから、長時間の運転でも疲れにくく、かかとが浮かず足全体がズレにくいため、微細なアクセルワークも可能ということです。
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オルガンペダル採用車に乗るユーザーからは「吊り下げ式より良い」「慣れるとオルガンじゃないとダメ」など、メリットを感じる人も多く見られます。
その一方で、なかにはオルガンペダルにあまり良い印象を持たない人もいるようです。
特にマニュアルミッション車(MT車)において、右足でブレーキとアクセルの両方を踏むスポーティなシフトダウン操作「ヒールアンドトウ」時に、同じ動きをしないオルガンペダルではやりづらいといった意見や、床に取り付けられているために掃除がしにくいといった意見もあり、賛否が分かれているようです。
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