なぜメルセデス・ベンツ「W124」は令和になっても人気? 購入&維持の極意伝授します!
次々と新型車が登場する自動車業界。とくに昨今は技術の進化が凄まじく、ひと世代前のモデルとなれば“時代遅れ”といわれることさえある。そんな現代においても人気の高いのが通称「124シリーズ」と呼ばれるメルセデス・ベンツのミディアムモデルだ。なぜいまだに124シリーズは人気があるのだろうか。
なじみの鮨屋のような落ち着ける空間
発売され、マイナーチェンジを受け、そしていつしか消えていく数々の新型車。勃興しては廃れていく、さまざまなトレンド。そういった諸々を否定するわけでも非難したいわけでもない。
だが、そのような「表層部分の細かな動き」にいちいち対応することに疲れたとき、人は「タイムレスな名車」を手に入れたくなる。時間の経過を物ともせず、そのバリューをいまなお発揮し続ける「往年の名車」である。
ここではそんなタイムレスかつ現実的な名車をいま、中古車マーケットを通じていかに手に入れるべきか? ということを中心に述べていきたい。
第1回目に取り上げるのは、124シリーズこと4世代前のメルセデス・ベンツ「Eクラス」だ。多少なりともクルマに興味と知識を持っている人にはあまりに有名なシリーズゆえ、過剰な説明は不要だろう。
いまなおサーファーなどの間で人気が高い「W123」型ミディアムクラス(1976−1985年)の後継として1985年に登場。メルセデス・ベンツが、今日の比較的コストコンシャスでもあるフルラインメーカーとなる前の時代、「Das Beste oder nichts(最善か無か)」という企業スローガンがまだ実質的に生きていた最後の時代に作られた、中型サイズの4ドアサルーン(およびステーションワゴンなど)である。
ちなみに124シリーズは、ボディタイプ別に、セダン(W124)、ステーションワゴン(S124)、クーペ(C124)、カブリオレ(A124)とコードネームが付けられている。
アウトバーンの速度無制限区間を200km/h超で巡航したいのであれば、当然ながら、最新のテクノロジーを走行性能と安全性能とに全投入している最新世代Eクラスのほうが、速く、そして安全に、巡航することができる。
だがそうでないのならば──つまりごく常識的な速度レンジの範囲内で、とりわけ急ぐこともなく「ただただ心地よく移動したい」というのであれば、最終年式でもすでに25年前のクルマとなる124シリーズの各種ボディバリエーションは、今なお実用に耐えうるというか、むしろ最新モデルを上回る特質さえ備えている。
●数値では計れない「W124」の剛性感
コンピュータが解析する実際のボディ剛性ではなく「剛性感」はW124のほうが上であると感じる可能性があり、コストコンシャスなラック&ピニオン式ではなく、わざわざリサーキュレーティングボール式という方式を用いたステアリング機構がもたらすタッチは──しっかり整備されたそれであるならば──「甘美!」としかいいようのないものだ。
また、1980年代後半から1990年代前半にかけては「トレンド」に沿ったものであったインテリアデザインも、2020年のいまとなっては「落ち着いたムードの塊」である。それはどこか、筆者のような中高年にとっては「若い子らで溢れかえっている渋谷の街を素通りし、ホームタウンである○○の××に帰ってきた」かのような気分にさせてくれるものだ(「○○○の×××」の部分には、貴殿がもっとも落ち着くエリアの、どこかの場所を代入していただきたい。筆者個人の場合でいえば、それは「地元・学芸大学のなじみの鮨屋」になるだろうか)。
そんなW124型メルセデス・ベンツEクラスは、VAGUE読者諸兄にとってもハマるだろう1台であると筆者は確信しているが、それでも「手放しでおすすめする」というわけにはいかない。
「メンテナンスの問題」というのが、やはりどうしてもあるからだ。
W124ですら合理化の影はちらつく、やはり狙い目は前期のシングルカム直6の260Eだろね。
W126の300SEと同族のエンジンで冷却効率は300SEを凌ぐと言われてます。
右ハンドルではアクセルワイヤがエンジンを跨ぐ配置が故にアクセルが重い難点はあるものの後期のE320より慢性的なトラブルは少ないと聞いたことがある。
但しデザインのまとまりは190Eが上ですかね?