まるで初代シビック! ホンダの「“2ドア”コンパクトカー」に注目! フィット級の小型サイズ×斬新「後ろ開きドア」採用! 市販車へと昇華した「アーバンEVコンセプト」とは!
2017年にホンダが公開した愛らしいデザインのコンセプトカーは、世界中で大きな話題となりました。後に市販化が実現した「アーバンEVコンセプト」は、いったいどのような思想で生まれたのでしょうか。
まるで初代シビック! ホンダ「“2ドア”コンパクトカー」に注目!
自動車メーカーが発表するコンセプトカーの中には、明確に市販化を見据え、その後のブランドの方向性を決定づける重要なモデルが存在します。
2017年9月、ドイツで開催された「フランクフルトモーターショー」で、ホンダは世界初公開となるEVコンセプトモデルを披露しました。その名は「アーバンEVコンセプト(Honda Urban EV Concept)」です。
その後、同年の「東京モーターショー2017」で日本初公開され、国内のファンの前にもその愛らしい姿を現しました。
ステージに現れたアーバンEVコンセプトは、近年の鋭いラインや威圧的な表情とは無縁の、極めてシンプルで親しみやすい姿をしていました。「都市の移動に最適なコンパクトEV」を掲げ、単なる移動手段ではなく、オーナーが愛着を持って接することができる「キビキビ走る、愛らしい相棒」を目指して開発されたのです。
デザインテーマには「時代を超えて愛される親しみやすさ」が掲げられ、エクステリアは、無駄なラインを削ぎ落とした「ロー・アンド・ワイド」な造形が特徴です。フロントには象徴的な丸目のヘッドライトが、そしてリアには対となる四角いテールランプが配置され、ユニークなアイコンとなっています。

この「レトロモダン」で「愛らしい(Kawaii)」デザインは、往年の名車、初代「シビック」を彷彿とさせ、世界中のメディアから絶賛されました。
ボディサイズは、当時の欧州仕様「ジャズ(日本名:フィット)」より全長が100mm短いコンパクトな設定。ドアには後方が開くコーチドア(逆開き)を採用し、乗降性の向上と広々とした開口部を実現しています。
インテリアは、機械的なコックピットではなく、リビングのような心地よい空間が広がります。ラウンジソファのようなベンチシートや木目調パネルが温かみを演出し、ダッシュボードには巨大なパノラマスクリーンを配置して先進性を融合させました。
先進技術も満載です。
AI技術を用いた「ホンダ・オートメーテッド・ネットワーク・アシスタント(Honda Automated Network Assistant)」がパーソナルコンシェルジュとして機能し、ドライバーのライフスタイルや嗜好を学習して状況に応じた提案を行うほか、車外の人へメッセージを表示できるディスプレイなど、人とクルマの新たなコミュニケーションの形が示されました。
走りに関しては、新開発のEV専用プラットフォームを採用。EVならではのダイレクトな加速と、キビキビとしたハンドリングを追求しています。
そして2019年、このアーバンEVコンセプトをベースとした量産モデル「Honda e(ホンダ イー)」が発表され、日本でも2020年に発売されました。
市販版は、丸目のライトやワイドスクリーンなど、コンセプトの世界観を色濃く残して登場しました。一方で、ドアは実用性を考慮して5ドアに変更され、フロントのメッセージディスプレイも省かれています。
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残念ながらHonda eは2024年1月に生産終了となりましたが、今でもアーバンEVコンセプトのデザインの完成度を懐かしむ声は少なくありません。
特に、コンセプトモデル特有の凝縮された3ドアのプロポーションや、ワイド&ローなスタンスを「理想のデザイン」として再評価する声が、SNSなどで散見されます。
アーバンEVコンセプトは、ホンダが描いた「都市型コミューターの理想形」を具現化した一台でした。その愛らしい姿と先進的な思想は、今もなお多くの人々の記憶の中で走り続けているのです。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。






































