なぜ即完売? 標準モデルよりかなり高額な限定車が人気な理由とは
限定車とは、台数や期間を限定して販売される特別なモデルです。最近はスポーティモデルの限定車が人気で、すぐに完売したり、抽選販売だと申し込みが殺到することがあります。スポーティモデルの限定車は、なぜそんなに人気があるのでしょうか。
スポーティ・モデルの限定モデルが人気
スポーティモデルの限定車の人気は凄まじく、販売が開始されるとすぐに売り切れてしまいます。また、抽選販売が行われる場合も限定台数をはるかに上回る申し込みが殺到することがあります。多くの人が欲しがるスポーティモデルの限定車は、どのようなところが魅力なのでしょうか。
2017年に発売されたスバルの「S208」は、「WRX STI」をベースにエンジンから内外装まで変更を加えました。ルーフにはカーボンを採用するなど手が込んでいて、価格は626万4000円から710万6400円にもなり、それを450台限定で売り出しました。しかも申し込み順ではなく、抽選での販売となったのです。
これは、2015年に申し込み順で販売された「S207」(限定400台/599万4000円から637万2000円)の人気が高すぎて、少なからずの不満が生じたことを反省したためということです。
そもそも販売のテコ入れとして、カタログにない特別仕様車を売り出すのは、昔からの自動車メーカーの常套手段です。
通常モデルにないカラーリングや装備を装着し、特別感やお得感を演出するのですが、ずっと販売を続けていたらカタログモデルと代り映えしなくなってしまうため、通常は期間や台数を限定するというわけです。
ただし、はじめは限定の特別仕様車のはずだったモデルが、販売が好調のため、そのままカタログモデルになったというケースもあります。
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そうした特別仕様車のなかでもとくに人気が高いのが、メーカー主導でしかできないような大改造を施した特別仕様の限定車です。
2019年3月11日より350台限定で発売されたトヨタ「マークX」の最後の限定モデル「マークX“GRMN”」は、クルマの中身に大幅に手を入れました。車両価格は513万円とベーシックな「マークX」の2倍弱という値付けです。
しかし、そんな価格でも「マークX“GRMN”」はすぐに売り切れてしまい、現在トヨタのサイトでは「本車両は、ご好評につき完売いたしました。」という販売終了のアナウンスが掲載されています。
また、2016年の「86“GRMN”」(限定100台/648万円)と、2018年の「ヴィッツGRMN」(限定150台/400万円)の発売に対して、どちらも3000件を超える申し込みがあり、抽選が実施されています。
86“GRMN”の開発を行ったトヨタの多田氏は、「カタログモデルでは、こちらがやりたいことすべてはできません。価格が大幅に上昇してしまいますから。しかし、価格が高くてもイイモノが欲しいと思っていただけるひとだけにはぜひ届けたい。そこでわずかな台数にはなってしまいますが、その時の最高のものを限定車として発売するのです」と話します。
さらに、2016年の日産のカスタムカーを手掛けるオーテックジャパンが発売した同社の30周年を記念した記念車「マーチ ボレロ A30」(356万4000円)も、限定30台に対して1か月ほどの予約期間中に約20倍の応募が殺到しました。
この「マーチ ボレロ A30」では、数十名のオーテックファンがわざわざ全国からオーテックジャパンの本社がある神奈川県茅ケ崎まで駆け付け、「出荷式」を開催するほどの盛り上がりを見ました。
大改造ではありませんが、ホンダは2015年に9代目「シビックタイプR」を限定750台(428万円)で販売しました。
ホンダ広報によると、「9代目『シビックタイプR』はそもそも日本で販売されなかったモデルだったので、日本でシビックを待ち望んでいた方々から多くの反響をいただきました。その結果、10倍以上の申し込みがありました」といいます。
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