なぜ即完売? 標準モデルよりかなり高額な限定車が人気な理由とは
メーカーしかできない大規模な改造が施されるのが大きな魅力
こうしたスポーティモデルの限定車の人気の理由は、やはり大改造されたその内容にあるといえます。

これらのクルマの改造は非常に大規模かつ高度なものです。カタログにある普通のクルマを買ってきて、街のカーショップなどで改造するのは難しく、可能だとしても非常にお金がかかるというものばかりなのです。
たとえば、2019年発売された「マークX“GRMN”」でいえば、カタログモデルにない6速マニュアルトランスミッションが搭載されているし、ボディには全252カ所にもおよぶスポット溶接打点を追加しています。
さらに、サスペンションには新開発のアブソーバーが採用されるなど、ノーマルを購入して同じような改造をほどこすことを考えれば、513万円がリーズナブルに思えるでしょう。
また、人気が高ければ、当然、中古車の価格も高くなります。つまり転売しても“うま味”があるというわけです。
ただでさえ、ほかとは違うという特別感がありながら、内容が充実して、しかも内容に対してリーズナブル。リセール面でも有利。これほど良いことばかりがあるからこそ、スポーティモデルの人気が高いというわけです。
しかもメーカーとしては、人気モデルが生まれれば、それだけブランドのイメージもアップします。ユーザーもメーカーも、みんなが嬉しい、というのが限定モデルの魅力というわけです。
【了】
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。






































