“走り心地”がさらに進化! HKS 新型「HIPERMAX S」が”フラットライドコンセプト”を掲げてリニューアルしたのでさっそく試乗してみた
約5年ぶりに進化したHKSの車高調「HIPERMAX S」。耐久性や質感の向上に加え、走行性能も大幅にアップデートされました。ワインディングロードでの試乗を通して、その“走り心地”の進化を山本シンヤさんがリポートします。
5年ぶりの刷新となった「HIPERMAX S」はどう変わった?
多くのクルマはモデルライフ途中にマイナーチェンジ、改良などと呼ばれるアップデートが行われます。販売のテコ入れ、ユーザーからのフィードバック、走りの熟成……理由はさまざまですが、その根底には「より良いモノを提供したい」という思いがあるのでしょう。

カスタマイズの世界もその考えは同じですが、クルマよりも短いスパンで開発され、自動車メーカーを超えた幅広い車種に対応させる必要があるため、なかなかパーツそのものをアップデートさせるのは難しいと聞きます。しかし今回そこに対して果敢にメスを入れたのが、約5年ぶりに進化したHKSの車高調整式サスペンション「新HIPERMAX S」になります。
HKSのオリジナルサスペンションは1989年に登場。当初の製造は社外でしたが、基礎研究を経て1996年にいきなりレース由来の4Way DAMPER(何と伸び/縮みそれぞれ2Wayの超ハイスペック)を開発。その後、1998年に現在のHIPERMAXのご先祖さまといえる車高調整式サスペンションキット「HIPER DAMPER」を発売。
その末裔(まつえい)となるのが今に続く「HIPERMAXシリーズ」で、ストリートに焦点を当てた「S(2021年発売)」とサーキットに焦点を当てた「R(2022年)」が用意されています。
では、今回何が進化したのでしょうか? 1つ目は「耐久・信頼性のさらなる向上」です。HIPERMAX Sは3年間6万kmの保証が付いていましたが、新型はダストブーツが「デュラブーツ」に進化すると同時に、スタビライザーリンクも保証内容に適応。中でもダストブーツは意外と日本では厳しいオゾンの耐性を高めた新素材の採用がキモとなっています。
ゴム部品にも3年間6万kmの長期保証が付与された
2つ目は「見た目の変更」です。アッパーマウントは従来のヘアライン仕上げからショット表面処理に変更、スプリングインシュレーターは黒からゴールドに変更され、新型は質感を高めた“大人”な印象に。さらにスプリングには新たにバネレートがレーザー刻印されたのも、うれしい進化です(交換時に混乱しない)。細かい部分ではラベルも新デザインに変更されています。

そして3つ目が今回最も重要な項目となる「走りの進化」です。もともとHIPERMAX Sはストリート用サスペンションとして「愉(たの)しいだけでも、快適なだけでも終わらない」という価値を「走り心地」と定めています。つまり、性能だけ良ければOK、タイムが出ればOKではなく、数値にはなかなか表れないけどドライバーが感じる大事な領域(扱いやすい、安心感、懐の深さ、走りやすさ)までこだわったセットが行われています。
その走りは筆者(山本シンヤ)もさまざまな車種で体感済みですが、走るシーンによって、アフターサスペンション特有の“粗さ”や“辛さ”が顔を出すことも……。それはHKSのサスペンション開発部隊も認識していたようで、今回の進化に生きているそうです。
そんな新HIPERMAX Sの走りの指標として掲げられたのは「フラットライドコンセプト」。単に足が動くだけでなく、走行中の車体の姿勢(直線のみならずコーナリング中も)がいかにフラットで安定できるかです。
その実現のために、スムーズにしながらも無駄な動きを抑える「デュアル・プリロード・バルブシステム」、底突きの防止だけでなく第2のスプリングとして積極的に活用する「アドバンスド・バンプラバー」、そして減衰力調整の変化を明確にする「ワイドレンジニードル」といったアイテムを採用。
これらの武器に加えて、全日本シリーズ3年連続優勝を記録するダートトライアル(不規則な路面からの入力を素早く収束させる上では最適な実験室)をはじめとするモータースポーツ活動で得た知見・ノウハウをフィードバックしたセットアップも今回の進化に生きているといいます。
今回は新車取材でも走り慣れた箱根ターンパイクのワインディングで新HIPERMAX Sを装着した3台のスポーツモデルに試乗してきました。車高調整/減衰力はドライバーの好みや走るステージに合わせて調整が可能ですが、今回はHKS推奨値での走行です。
















































