トヨタの「ちいさな“MR”スポーツカー」! 全長4m以下のコンパクトボディ&プリウス由来の1.5リッター「直4H」採用! トヨタスポーツ800の現代版モデル「TE-Spyder 800」とは
トヨタには、市販されなかったものの現在でも話題になるスポーツカーがあります。MRレイアウトとハイブリッドを組み合わせたコンセプトカー「TE-Spyder 800」です。愛称「テスハチ」とも呼ばれるこのモデルは、いったいどのようなクルマだったのでしょうか。
名車「ヨタハチ」の精神を現代に再解釈したスポーツカー
トヨタには、市販には至らなかったものの現在でも語られるコンセプトカーがあります。それが「TE-Spyder 800(テスパイダー800)」です。
このモデルはトヨタの社内有志団体「トヨタ技術会(TES)」によって製作されたコンセプトカーで、2013年10月に開催された「TESフェスティバル2013」で初披露されました。その後、2014年1月の「東京オートサロン2014」にも出展されています。
開発テーマは、かつて大衆車「パブリカ」から名車「トヨタスポーツ800(ヨタハチ)」が誕生したときの感動を、現代のクルマで再現するというものです。現代の大衆車をベースに新たなスポーツカーを作るという発想から生まれました。
ベース車両となったのはミッドシップスポーツカー「MR-S」です。この車体にハイブリッドシステムを組み合わせることで、新しいライトウェイトスポーツとして開発されました。
パワートレインは、1.5リッター直列4気筒エンジン「1NZ-FE改」と電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムです。エンジンは最高出力116PS、最大トルク150N・mを発生し、モーターは102PSと220N・mを発生します。
トランスミッションは電気式無段変速機で、駆動方式はMR(ミッドシップ・後輪駆動)となっています。

車体サイズは全長3910mm×全幅1735mm×全高1235mm、ホイールベース2450mm。軽量化にも力が入れられ、FRPやカーボン、アルミ素材を使い分けることで、1トンを切る車重を目標に開発されました。
さらに、プリウス由来のハイブリッドシステムをミッドシップレイアウトに搭載するため、バッテリーをセンターコンソール付近に配置し、インバーターなどの制御装置をフロント側に配置するなど、独自のパッケージングが採用されています。
ボディカラーには「#6Tes8(テスハチ専用色)」と呼ばれる専用カラーが設定されました。
車名の「TE」はToyota Engineering Society(トヨタ技術会)の略称で、愛称は「テスハチ」と呼ばれています。また「800」という数字は排気量ではなく、軽量スポーツの象徴でもある「トヨタスポーツ800」を想起させるネーミングでもあります。
なお、このモデルは市販化されることはありませんでした。トヨタの量産プロジェクトではなく、技術会による有志活動として製作されたコンセプトカーだったためです。
それでも現在でもSNSなどでは、市販化を望む声が見られます。「こんなクルマが本当に出たら欲しい」「ぜひ販売してほしい」といった意見が挙がるなど、ライトウェイトスポーツとしての魅力に関心を寄せる人は少なくありません。
また、「夢のあるクルマだ」「技術者の挑戦が面白い」といった評価のほか、「こんなモデルがあったとは知らなかった」「MR-Sの後継のような存在」「MR-Sをハイブリッド化したようなクルマ」といった驚きの声も見られます。
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TE-Spyder 800は、市販車にはならなかったものの、ライトウェイトスポーツと環境性能を組み合わせたユニークな試みとして、今なお注目され続けている存在なのです。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。
































