エネオスと自動車メーカー6社が「合成燃料の活用」で連携! エンジン搭載車両の「カーボンニュートラル化」に向けて… 大阪・関西万博に車両提供へ
「2025年日本国際博覧会」開催期間中の来賓・関係者向け車両の会場内運行において、合成燃料を混合した燃料を使用した車両が使われることが明らかになりました。
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「2025年日本国際博覧会」開催期間中の来賓・関係者向け車両の会場内運行において、合成燃料を混合した燃料を使用した車両が使われることが明らかになりました。
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20年ちょっと前の時代、日本にはガイアックスという自動車用ガソリン代替燃料がありました。近所の某大手石油系ガソリンスタンドの経営者がその販売元ガイアックスエナジーと提携し、合成燃料ガイアックスを代理販売しておりました。
自分も通常の原油系ガソリンから合成燃料ガイアックスに替えておりました。このガイアックスは韓国の化学工場で製造され、そこから日本に輸入され販売されていたものです。肝心の価格差ですが原油系ガソリンよりも20円/L以上安かったのです。50リッター入れればそれだけで1,000円以上の差額が出ました。
使用感としては加速性能はハイオクガソリンと変わらず。点火時期を弄っていてもノッキングは逆に少なくなりました。つまりハイオクガソリンと同等の性能があったようです。但し、アイドリングが若干不安定になるような印象はありました。
税金問題もガイアックスエナジーは税務当局と話合いの上で販売しているとしましたが、その後何故か税金問題が浮上してきました。それと同時にTOYOTAやHONDAなどの自動車製造業者から「ガイアックスの使用は燃料系統に腐食が発生する」「燃料が漏れた」「車両火災になった」というクレームが上げられました。これに対してガイアックスエナジーは「当社の検証ではそのような事実は認められていない」と反論をしておりました。当時のガイアックスエナジーは「石油連盟からの強い圧力を感じる」と反発姿勢まで見せていたのです。結局すったもんだで各省庁や自動車製造会社、そして消費者まで巻き込む大騒ぎとなったのです。しかし顛末は解決しないまま終了してしまいました。
ちなみにガイアックスは天然ガスを韓国の化学工場で加工して液体燃料化したものです。アルコール燃料に分類されます。
ガイアックスが何故課税対象から外れていたのか?といいますと、当時は高濃度アルコール燃料は揮発油および軽油引取税の対象には含まれていなかったから、原油系ガソリン燃料と比較して20円/L以上の差額を出せたのです。成分構成的には原油系ガソリン燃料が炭化水素含有量100%に足しいてガイアックスは同48%程度でした。
しかし、何故か政府は2003年に揮発油等の品質の確保等に関する法律を改正、ガイアックスは抵抗虚しく販売終了に追い込まれてしました。当時ガイアックスエナジーは利用者に対して陳情書への署名を求める等の活動を行っていましたがそれも水の泡と化しました。税金上の優位性は奪われてしまいました。
こんな感じでガイアックスは追い込まれてしまい終焉を迎える事となりましたが、ハイオクガソリンと同等の性能を持ち、環境への対応としては原油系ガソリン燃料よりも一酸化炭素と炭化水素の排出量を大幅に削減したクリーンエネルギーでした。しかし環境省は逆に窒素酸化物は増加するとしました。尚、ブラジルでは市販車に植物から抽出していたアルコール燃料を入れて自動車を走らせていた時代の日本での話です。
そのような経緯を体験してきた者にとっては今回のエネオスと自動車メーカー6社による合成燃料活用は考え深いものがあります。この記事にあるエネオスが提供した合成燃料ですが税務処理上どうなっているのか?興味はあります。