エネオスと自動車メーカー6社が「合成燃料の活用」で連携! エンジン搭載車両の「カーボンニュートラル化」に向けて… 大阪・関西万博に車両提供へ

「2025年日本国際博覧会」開催期間中の来賓・関係者向け車両の会場内運行において、合成燃料を混合した燃料を使用した車両が使われることが明らかになりました。

大阪・関西万博の会場内で運行される合成燃料を使用した車両を提供

 2025年4月11日にENEOSをはじめ、スズキ、スバル、ダイハツ、トヨタ、マツダは、「2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)」の会場内で運行される合成燃料を使用した車両を提供することを発表しました。

大阪・関西万博で合成燃料で走るエンジン搭載車両が来賓・関係者向けに用いられる
大阪・関西万博で合成燃料で走るエンジン搭載車両が来賓・関係者向けに用いられる

 ENEOSは、同社の中央技術研究所内に日本初となる原料から一貫製造可能な合成燃料製造実証プラントを2024年9月に完成させています。

 このCO2からの合成燃料製造技術開発は、NEDOの「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いた燃料製造技術開発プロジェクト」に採択されています。

 合成燃料とは、再生可能エネルギー由来の水素とCO2を原料としており、製品ライフサイクル全体においてCO2排出量を抑えることのできるクリーンな燃料です。

 液体燃料である合成燃料は、既存インフラを活用できるため、内燃機関のCO2排出量削減にも貢献することができます。

カーボンニュートラル燃料の種類と製造過程
カーボンニュートラル燃料の種類と製造過程

 今回は、その実証プラントで製造した合成燃料をトヨタ、マツダが提供する来賓向け車両。

 さらにスズキ、スバル、ダイハツが提供する関係者向け車両に供給するといい、具体的な車種は以下の通りです。

ーーー
【来賓向け車両】
トヨタ:ヴェルファイア HEV Z PREMIER
マツダ:CX-80 PHEV
【関係者向け車両】
スズキ:スペーシア HYBRID X
スバル:クロストレック S:HEV
ダイハツ:ロッキー Premium G HEV
ーーー

トヨタ・スバル・マツダはスーパー耐久にてCN燃料を用いて参戦してきた(画像はBRZ)
トヨタ・スバル・マツダはスーパー耐久にてCN燃料を用いて参戦してきた(画像はBRZ)

 今回の取り組みについて6社は、次のように述べています。

「大阪・関西万博での来賓・関係者向け車両の運行を通じて、合成燃料で走るエンジン搭載車両がカーボンニュートラルに向けたモビリティの重要な選択肢の1つであることを発信するとともに、大阪・関西万博が掲げる持続可能性の方向性を示す『EXPO2025グリーンビジョン』の達成に貢献してまいります」

※ ※ ※

 なお「EXPO2025グリーンビジョン」とは、大阪・関西万博の準備、運営を通じて持続可能性の実現を目指すため、脱炭素・資源循環に関して、大阪・関西万博で目指すべき方向性や核となる対策のことで、2024年3月に公表しています。

【画像】これが関西・大阪万博で走るクルマです。画像を見る!(24枚)

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1件のコメント

  1. 20年ちょっと前の時代、日本にはガイアックスという自動車用ガソリン代替燃料がありました。近所の某大手石油系ガソリンスタンドの経営者がその販売元ガイアックスエナジーと提携し、合成燃料ガイアックスを代理販売しておりました。

    自分も通常の原油系ガソリンから合成燃料ガイアックスに替えておりました。このガイアックスは韓国の化学工場で製造され、そこから日本に輸入され販売されていたものです。肝心の価格差ですが原油系ガソリンよりも20円/L以上安かったのです。50リッター入れればそれだけで1,000円以上の差額が出ました。

    使用感としては加速性能はハイオクガソリンと変わらず。点火時期を弄っていてもノッキングは逆に少なくなりました。つまりハイオクガソリンと同等の性能があったようです。但し、アイドリングが若干不安定になるような印象はありました。

    税金問題もガイアックスエナジーは税務当局と話合いの上で販売しているとしましたが、その後何故か税金問題が浮上してきました。それと同時にTOYOTAやHONDAなどの自動車製造業者から「ガイアックスの使用は燃料系統に腐食が発生する」「燃料が漏れた」「車両火災になった」というクレームが上げられました。これに対してガイアックスエナジーは「当社の検証ではそのような事実は認められていない」と反論をしておりました。当時のガイアックスエナジーは「石油連盟からの強い圧力を感じる」と反発姿勢まで見せていたのです。結局すったもんだで各省庁や自動車製造会社、そして消費者まで巻き込む大騒ぎとなったのです。しかし顛末は解決しないまま終了してしまいました。

    ちなみにガイアックスは天然ガスを韓国の化学工場で加工して液体燃料化したものです。アルコール燃料に分類されます。

    ガイアックスが何故課税対象から外れていたのか?といいますと、当時は高濃度アルコール燃料は揮発油および軽油引取税の対象には含まれていなかったから、原油系ガソリン燃料と比較して20円/L以上の差額を出せたのです。成分構成的には原油系ガソリン燃料が炭化水素含有量100%に足しいてガイアックスは同48%程度でした。

    しかし、何故か政府は2003年に揮発油等の品質の確保等に関する法律を改正、ガイアックスは抵抗虚しく販売終了に追い込まれてしました。当時ガイアックスエナジーは利用者に対して陳情書への署名を求める等の活動を行っていましたがそれも水の泡と化しました。税金上の優位性は奪われてしまいました。

    こんな感じでガイアックスは追い込まれてしまい終焉を迎える事となりましたが、ハイオクガソリンと同等の性能を持ち、環境への対応としては原油系ガソリン燃料よりも一酸化炭素と炭化水素の排出量を大幅に削減したクリーンエネルギーでした。しかし環境省は逆に窒素酸化物は増加するとしました。尚、ブラジルでは市販車に植物から抽出していたアルコール燃料を入れて自動車を走らせていた時代の日本での話です。

    そのような経緯を体験してきた者にとっては今回のエネオスと自動車メーカー6社による合成燃料活用は考え深いものがあります。この記事にあるエネオスが提供した合成燃料ですが税務処理上どうなっているのか?興味はあります。

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