ダイハツ斬新「“2人乗り”スポーツカー」に注目! “1.5リッター”エンジン&ド迫力な「屋根なしワイドボディ」! 専用の「豪華内装」もカッコイイ「コペンZZ」とは?
2026年8月に生産終了することが発表されたダイハツ「コペン」には、過去に1.5リッターエンジンを搭載したハイパワーモデルが登場して話題になりました。一体どのようなクルマだったのでしょうか。
軽規格超えの“1.5リッター”エンジン!
ダイハツは2025年9月29日、軽オープンスポーツ「コペン」の現行モデルを2026年8月で生産終了すると発表し、自動車ファンの間に大きな衝撃を与えています。
そんな同車は、これまで数々のバリエーションや特別仕様車が登場しましたが、なかには大きなエンジンを搭載し、内装には本革をあしらったユニークなモデルが存在していました。

コペンの歴史を振り返ると、初代モデルが登場したのは2002年。
当時としては珍しい電動開閉式ルーフを備えた本格的な軽オープンカーであり、丸みを帯びた愛らしいフォルムと相まって一躍人気車種となりました。
軽自動車の規格内でありながら、ドライバーに「特別感」を与える存在として強い印象を残しました。
その後、数々のバリエーションや特別仕様が登場しましたが、なかでもファンの記憶に深く刻まれているのが、2005年の「東京モーターショー」で披露されたコンセプトカー「コペン ZZ」です。
コペン ZZは、単なる派生モデルではなく、軽自動車という枠組みを超える挑戦を体現した1台でした。
ボディサイズは全長3550mm×全幅1600mm×全高1260mmと、初代コペンからひとまわり大きく設計され、特に全幅の拡張によって存在感が大きく向上。
フェンダーを強調したデザインは、軽規格では味わえないワイド&ローの迫力を演出しています。
インテリアは通常モデルと同じく2人乗りとしつつ、専用設計の本革レカロシートやMOMO製ステアリングを採用し、スポーティさと上質感を融合。
通常の軽オープンでは得られない「特別なコクピット空間」を実現していました。
最大の注目点は、そのパワートレインにあります。軽自動車の定番である660ccターボではなく、1.5リッター直列4気筒自然吸気エンジンを搭載。
最高出力109ps、最大トルク14.3kgf・mという数値は、当時の軽オープンとしては桁違いの性能であり、従来のコペン(L880K型)が持つ660ccターボエンジンと比較しても圧倒的な動力性能を誇りました。
車名に付けられた「ZZ」は、「未知」を意味する「Z」を2つ重ねることで、軽自動車の先にある新たな挑戦を象徴したといわれています。
ショーでの展示は大きな話題を呼び、「ついに軽を超えるコペンが市販化されるのでは」と期待を集めました。
しかし結局、コペン ZZはコンセプトカーにとどまり、市販化は実現しませんでした。
もしコペン ZZが市販されていれば、軽オープンスポーツの枠を超え、コンパクトスポーツカー市場に新風を吹き込んでいたかもしれません。
小型ボディに大排気量エンジンを組み合わせる発想は、日本市場では極めて珍しく、輸入車を含めても限られたモデルしか存在しないアプローチだったからです。
こうした幻のモデルの存在は、コペンという車種が単なる軽オープンにとどまらず、「走り」と「遊び心」を追求した実験的な舞台でもあったことを物語っています。
※ ※ ※
今回の生産終了により、コペンは再び歴史の節目を迎えることになりました。
しかし、ダイハツは2026年4月以降、全国でファン向けのスペシャルイベントを開催する予定を明らかにしており、長年にわたり築き上げてきたコペンの存在感を改めて振り返る機会となりそうです。
生産終了は惜しまれますが、その歴史の中で生まれた「幻の1.5リッターコペン」は、今なお自動車ファンの語り草となり、国産スポーツカー史に小さくない足跡を残しているのです。
Writer: くるまのニュース編集部
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