三菱「斬新顔の5人乗りワゴン」が凄い! “5ナンバー”ボディに超個性的「タレ目デザイン」採用! めちゃ便利装備づくしの画期的“SUW車”「ミラージュディンゴ」とは
三菱にはかつて非常に斬新なデザインに使い勝手の良さを両立した意欲作のハイトワゴン「ミラージュディンゴ」をラインナップしていました。どのようなクルマだったのでしょうか。
めちゃめちゃ使い勝手は良かったが…ヒットならず
三菱「ミラージュ」と聞くと、往年の三菱ファンは「サイボーグ」系がラインナップされ、ワンメイクレースも開催されていたホットハッチ時代を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、ミラージュシリーズにはホットなモデルだけでなく、実用的なベーシックな仕様も多く存在していたのですが、なかでも異色だったのが、トールワゴンスタイルを持った「ミラージュディンゴ」です。

ミラージュディンゴは、通常のミラージュシリーズのモデルラインナップとは全く関係なく1999年1月に登場したモデルです。
3.9mにも満たない短い全長に対し、1.6mを超える背の高いスタイルを持っており、三菱は「スマート・ユーティリティ・ワゴン(SUW)」と名付けていました。
室内はSUWの名前に相応しく、ほぼフラット化された床面にインパネシフトと足踏み式パーキングブレーキを備え、「Hウォーク」と名付けられたシートレイアウトによって、2列シート・5人乗り仕様でありながら、前後左右のウォークスルーを実現。
またシートアレンジも非常に豊富で、フルフラット化はもちろんのこと、リアシートを折り畳んだ上に、前方に回転させ、ラゲッジスペースを拡大するという使い方もできるようになっていました。
そしてその使い勝手の良さから子育て世代もターゲットとしており、ラインナップを徐々に拡大。
トランクにベビーカーを立てかけて固定することができるアタッチメントを備えたり、運転中に振り返らなくても後部座席の子どもの様子が確認できる「赤ちゃん見えるミラー」や撥水シート、抗菌消臭シートカバー、リアカーテンなどを標準装備とした「マーブル」という仕様を設定していたことも特徴でした。
そんな多くのファミリーに愛されそうな、使い勝手のよい特徴を備えていたミラージュディンゴでしたが、エクステリアのデザインは今見ても、非常に個性的かつ大胆なものでした。
フロントには大型の異形丸型二灯式ヘッドライトを備え、テールランプもヘッドライトと共通する形状となっていて、前後のフェンダーは5ナンバーサイズに収めつつもブリスター化した、アグレッシブなものとなっていたのです。
さすがにファミリーカーとしてはアグレッシブ過ぎたデザインの好き嫌いがハッキリ別れることになり、2001年2月のマイナーチェンジでは、ガラリと一変。
一般的なヘッドライトを備える地味なスタイルに変更され、異形ヘッドライト仕様は「エアロ」グレードのみに残される形となりました。
使い勝手の面では一定の評価を集めていたミラージュディンゴでしたが、当時発覚した三菱の諸問題の影響もあって、販売は徐々に低迷し、2002年秋ごろに生産を終了。
残念ながら1世代のみで姿を消すこととなったのでした。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
































































