ダイハツの「“元祖”軽SUV」がスゴすぎた! タフデザイン×「四駆ターボ」の“遊べる軽”!? 「オープン」にもできちゃう「ミラRV-4」とは
SUV人気が高まる今、他社に先駆けて1990年代に登場したダイハツ「ミラ RV-4」は、ターボエンジンとフルタイム4WDを備えた個性派軽SUVでした。
「RAV4」じゃなくて「RV-4」です
生産終了したクルマを振り返ってみると、市場ではあまり注目されなかった“隠れた名車”の存在に気付くことがあります。
1990年代初頭に登場したダイハツ「ミラ RV-4」も、そのひとつです。
軽自動車の利便性とSUVテイストを融合させたこのモデルは、当時としては斬新なコンセプトを掲げていました。

ミラ RV-4が登場したのは1992年8月。
ベースとなったのは3代目「ミラ」(L200系)で、その中でもE-L210S型と呼ばれるフルタイム4WD仕様が土台となりました。
ボディタイプは3ドアハッチバックで、RV(レジャービークル)テイストを盛り込んだ仕様とされています。
ただし販売期間は短く、1994年までの約2年間で市場から姿を消しました。
開発コンセプトは、「遊び心と機動力を兼ね備えた都会派クロスオーバー」。
従来の軽乗用車にはないアウトドア風のデザインと、フルタイム4WDの走行性能を組み合わせ、若年層やレジャー志向のユーザーに向けた新しい価値提案を狙っていました。
エクステリアは、当時のミラよりも一回り背が高く、ルーフレールや専用バンパー、サイドモールなどの装備によりSUVらしい外観を演出していました。
最低地上高こそ標準的でしたが、全高は1550mmに達し、一般的な立体駐車場の制限内に収めつつも存在感を確保していました。
外観の質感は高く、アンダーガード風のアクセントも施されていました。
また、メーカーオプションでキャンバストップ仕様を設定していたのも、同車のユニークなポイントです。
インテリアはベース車同様のシンプルな設計ながら、RV-4専用のシート生地や内装トリムが用意され、遊び心を感じさせる内装に仕上げられています。
装備面では、当時としては標準的な装備内容で、パワーステアリングやエアコンが装備されていましたが、フォグランプは標準装備ではなく、一部グレードまたはオプション設定でした。
パワートレインには、当時の軽自動車規格に準じた660ccの「EF-JL」型直列3気筒インタークーラーターボエンジンを搭載。
最高出力は自主規制の上限64PS・最大トルク85N・mで、軽自動車としては十分な動力性能を確保していました。
組み合わされるトランスミッションは5速MTまたは4速ATが用意され、駆動方式は常時4輪を駆動するフルタイム4WDが採用されていたのも大きな特徴です。
ボディサイズは全長3295mm×全幅1395mm×全高1550mmで、軽自動車枠に収まりつつも、通常のミラより高さを持たせてSUV的なスタンスを確保。車両重量は750kg前後で、軽量ボディとの組み合わせにより、軽快な走りと高い燃費性能も兼ね備えていたとされます。
価格はグレードや装備によって異なりますが、当時の新車価格帯は約130万円から140万円でした。
標準のミラよりも高価格帯に位置づけられていたものの、4WD機構やターボエンジン、専用デザインの装備が加わっていたことを考えれば、一定の競争力は備えていたといえるでしょう。
販売が終了した理由としては、1994年のL500系ミラ(4代目)の登場に伴い、L200系ベースのモデルが一斉にモデルチェンジされたためでした。RV-4のような派生モデルが継続されることはなく、結果としてRV-4は1代限りの存在となりました。
今日の視点で振り返ると、ミラ RV-4はクロスオーバーSUVというジャンルの“先駆け”であり、ユニークなポジションを築いたモデルでした。
なにせ、トヨタが世界に先駆け誕生させたクロスオーバーSUVの初代「RAV4」は1994年の発売ですから、それよりも2年も前に誕生していた訳で、その先取性には改めて驚かされます。
そして軽自動車にも“遊び心”と“個性”を求める時代の到来を先取りしていた、エポックメーキングなクルマといえるでしょう。
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