ホンダ最新型「ミニバン」がスゴイ! 斬新「窓無しリア」&“広びろ内装”採用! 新型ステップワゴン…じゃないスライドドアモデル「スペースハブ」とは
2024年1月、ホンダは次世代BEV「ホンダ・ゼロ・シリーズ」を発表し、その一角を担うコンセプトカー「スペース・ハブ」を世界初公開しました。「次期ステップワゴンか?」とも噂されるこの斬新なミニバンは、いったいどのようなクルマなのでしょうか。
動くリビング!
自動車メーカーは、モーターショーなどの晴れ舞台で未来の方向性を示すコンセプトカーを発表します。中には市販化を前提とした現実的なモデルもあれば、ブランドの定義そのものを問い直すような意欲的なモデルも存在します。
過去を振り返ると、2024年1月9日に米国ラスベガスで開催された「CES 2024」において、ホンダは次世代のグローバルBEV(バッテリー式電気自動車)「ホンダ 0シリーズ(Honda 0 Series)」を世界初公開しました。

ホンダが「第二の創業」と位置づける変革の象徴として、フラッグシップの「サルーン(SALOON)」と共に披露されたのが、ミニバンタイプのコンセプトカー「スペース・ハブ(SPACE-HUB)」です。
開発テーマは「人々の暮らしの拡張」。ホンダ伝統の「M・M思想(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)」をBEV時代に合わせて進化させ、単なる移動手段にとどまらず、人と人、人と社会をつなぐ「ハブ(拠点)」となることを目指しています。
エクステリアは、シリーズ共通のデザイン哲学に基づき、従来のミニバンに見られる箱型の圧迫感を払拭した、塊感のある未来的かつシンプルなフォルムが特徴です。
特に目を引くのはリアのデザイン処理でしょう。サイドウィンドウが垂直に立ち上がり室内空間を広げる一方、リアエンドには従来のリアウィンドウが見当たりません。
代わりに特徴的なグラフィックを持つ灯火類とブラックアウトされたパネルが配置され、これまでのクルマとは一線を画す斬新な印象を与えています。
この「窓なしリア」は、カメラでの視界確保を前提に、車内のプライバシーと没入感を高める意図が読み取れます。
フロントには、次世代BEVを象徴する新しい「Hマーク」エンブレムが採用されました。両手を広げたようなデザインは、モビリティの可能性を拡張するホンダの姿勢を表現しています。
インテリアは、まさに「動くリビング」です。ガラスルーフから自然光が降り注ぐ室内には、対面座席にアレンジ可能なシートを採用。家族との会話を楽しんだり、停車中に移動オフィスとして活用したりと、自由な使い方が可能です。
運転席周りはシンプルにまとめられ、自動運転を見据えた格納式ステアリングホイールなどが、完全なリラックス空間への変化を予感させます。
具体的なボディサイズは非公表ですが、その堂々とした佇まいからミドルサイズ以上のミニバンと同等と推測されます。
SNSなどでは「次期型ステップワゴンではないか」という声に加え、かつての上級ミニバン「オデッセイ」の後継機としての役割を期待する声も聞かれます。
技術面では、ホンダ・ゼロ・シリーズの核となる「Thin, Light, and Wise(薄い、軽い、賢い)」アプローチを適用。
フロアを薄くする専用プラットフォームや軽量化技術を駆使し、ミニバンでありながら低い重心を実現することで、ホンダらしい「操る喜び」と高い電費性能の両立が予想されます。
発表直後から、そのデザインは大きな反響を呼びました。
特にリアウィンドウを廃した構成には、「斬新でカッコいい」といった好意的な意見の一方で、「後方視界はどうなるのか」といった議論も巻き起こりました。
スペース・ハブの市販化へ期待が持たれていましたが、2025年1月にホンダは、CES 2025において「ホンダ・ゼロ・サルーン」と「ホンダ・ゼロ・SUV」を2026年に北米を皮切りに世界各国で販売すると発表しました。
その発表によれば、ゼロ・SUVがスペース・ハブのコンセプトを踏襲し自由度の高い広々とした居住空間を実現したとホンダは伝えています。
そもそも、ゼロ・シリーズは、テスラや中国系メーカーが支配力を強めるグローバルEV市場に割って入るために開発された、ホンダ渾身の世界戦略車です。
スペース・ハブは、日本の国内市場を守ることではなく、世界基準で戦える「スペース・ユーティリティ・ビークル」として提案されたコンセプトカーでした。
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次期ステップワゴンがどうなるかは気になるところですが、ホンダの新しいBEV世界戦略車がどのような形で発売されるのかも、とても気になります。今後のホンダの動向から目が離せません。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。







































