走行中にタイヤが壊れる「謎の現象」なぜ起きる? 危険な「セパレーション」発生したら4本全部交換しないとダメ? トラブルを未然に防ぐ“カンタンな”方法とは?

クルマのタイヤは空気圧が不足すると、さまざまなトラブルが発生します。なかでも、内部構造が壊れる「セパレーション」とは何なのでしょうか。

タイやの「セパレーション」って一体なに?

 クルマと路面を繋ぐ唯一の接点であるタイヤは、非常に重要な役割を担っていますが、その一方で、放置してしまいやすいパーツとも言えます。

 そして、タイヤが十分な性能を発揮するためには、適正な空気圧を保つ必要があり、この空気圧不足によって、さまざまなトラブルが発生することがあるのです。

タイヤの「セパレーション」とはどんな状態?(画像は劣化した廃タイヤのイメージです)
タイヤの「セパレーション」とはどんな状態?(画像は劣化した廃タイヤのイメージです)

 空気圧不足によって起こりうるトラブルとしては、燃費や乗り心地の悪化や、雨の日にハイドロプレーニング現象が起きやすくなったり、偏摩耗やひび割れ、バーストなどが挙げられます。

 また「セパレーション」と呼ばれる症状が現れると、まともに走行できなくなることもあるのです。一体どういうトラブルなのでしょうか。

 タイヤ専門店スタッフF氏に話を聞いてみました。

「タイヤはゴムを主成分としており、ゴムが持つ弾力性をうまく活用して、駆動力(摩擦力)や衝撃吸収、ロードノイズの軽減を実現しています。そしてタイヤ内部に空気を注入し内側から補佐することで、性能を発揮できるように設計されています。

 空気圧が不足するとタイヤが車重でたわんで均等に接地しないため、一部分だけ摩擦熱が増えたり摩耗が進んでしまう、いわゆる『デグラデーション』と呼ばれる状態になります。

 これがさまざまなトラブルを引き起こすため、デグラデーションを防ぐために、適正レベルの空気圧を保つ必要があります」

 このデグラデーション状態から発展し、セパレーションが発生するのですが、いくつか種類があります。

 偏摩耗によってタイヤの一部分のみに熱が高まって起きるのが「ヒートセパレーション」、これでトレッドが剥離してしまうのが「トレッドセパレーション」。

 これらのセパレーションは高速など連続走行していると起こりやすいのですが、そのほか、縁石や障害物への衝撃でタイヤの内部構造が破損し、剥離してしまうこともあります。

 これはトレッドの一部分が異様に盛り上がった状態のセパレーションで、走行中にハンドルが左右どちらかに取られたり、振動の増加、大きな異音が発生します。

 少しでもおかしいと感じたら、速やかに走行をやめてタイヤの状態を確認しましょう。

 タイヤの一部が変形して膨らんでしまう症状として、もうひとつ「ピンチカット」と呼ばれるものがあります。セパレーションとの違いは何なのでしょうか。

「どちらもタイヤの内部構造が壊れてしまい起きる現象ですが、壊れる箇所が違います。

 主にトレッド面の内部構造が剥離してしまうのがセパレーション、タイヤ側面の内部にあるカーカスが壊れてしまうのがピンチカットです。

 どちらも空気圧不足や経年劣化によって引き起こされるタイヤの故障で、いつバースト(破裂)してもおかしくない危険な状態です。

 できればすぐにディーラーやタイヤ専門店、整備工場などに持ち込んでプロに調べてもらったほうがいいでしょう」(タイヤ専門店スタッフ F氏)

 セパレーション状態になったタイヤを補修することは可能とのことですが、この症状が出る場合は、すでにタイヤが劣化しているといえるでしょう。安全のためにも新品のタイヤに交換することをおすすめします。

「タイヤは消耗品です。1本のタイヤにセパレーションが発生している場合、ほかのタイヤも同等に傷んではずです。

 タイヤの寿命が来たと割り切り、出費はかさみますが、新品に交換することがもっとも安全かつ効率的だと思います」(タイヤ専門店スタッフ F氏)

※ ※ ※

 タイヤの空気圧は、乗っていなくても徐々に下がっていきます。

 可能なら毎月、少なくともできれば3か月に1度くらいは空気圧が適正レベルかをチェックすることでトラブルを回避することができるでしょう。

【画像】「えぇぇ!」これはアウト! これが交換すべき「危険なタイヤ」です!(14枚)

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