スズキ斬新「コンパクト“3列”ミニバン」に注目! 全長4.2mの“ちょうどいいボディ”&「観音開きスライドドア」採用! クラッチレス“MT”×ハイブリッドの画期的な「エアトライサー」とは?

近年、コンパクトミニバンの人気が高まっているなか、スズキはかつてラウンジのような室内空間を持つコンパクトミニバンを公開していました。一体どのようなクルマなのでしょうか。

個性的なシートアレンジが光るミニバンとは?

 近年、コンパクトミニバンの人気が高まっています。

 2025年4月の乗用車新車販売台数データによると、トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」などのコンパクトミニバンが上位に名を連ね、広い室内空間と使い勝手の良さが支持を集めています。

 こうしたトレンドのなか、スズキはかつてまるでラウンジのような室内空間を持つコンパクトミニバンを公開していました。

 一体どのようなクルマなのでしょうか。

まるでラウンジのようなスズキの「コンパクトミニバン」とは?
まるでラウンジのようなスズキの「コンパクトミニバン」とは?

 そのモデルとは、スズキが2015年の東京モーターショーで披露した「Air Triser(エアトライサー)」です。

 エアトライサーは、コンパクトミニバンのサイズ感でありながら、ユニークなシートアレンジで「どこでも連れ出せるプライベートラウンジ」をコンセプトに掲げているコンセプトカーです。

 ボディサイズは全長4200mm×全幅1695mm×全高1815mmで、シエンタやフリードと同等のコンパクトな5ナンバーサイズです。

 このサイズ感は、都市部の狭い道でも扱いやすく、駐車場でもストレスを感じさせません。

 エアトライサーの最大の特徴は、革新的なシートアレンジにあります。1列目は運転席と助手席、2列目は左右独立型のシート、3列目はベンチタイプのシートで構成されていますが、2列目シートをレールで移動させることで、多彩なレイアウトが可能です。

 たとえば、2列目の右側シートを運転席側に寄せ、左側シートを右側に移動させると、車内にコの字型のソファのような空間が生まれます。

 スズキはこのレイアウトを「ラウンジモード」と呼び、くつろぎの空間を提供します。さらに、シートを対面式にすることもでき、家族や友人との会話が弾む「リラックスモード」も実現可能です。

 インテリアの魅力はシートアレンジだけではありません。

 Bピラーから天井にかけてディスプレイが搭載されており、スマートフォンと接続することで音楽や写真、映像を楽しむことができます。

 この機能は、移動中や停車中にパーソナルスペースを充実させ、1人でも複数人でも快適に過ごせる工夫が施されています。

 また、助手席側にはフロントとリアの両ドアがスライドし、観音開きのようにそれぞれが前後にスライドして開く設計を採用。

 Bピラーレスであることから、大開口部を実現しています。

 大型ガラスルーフと組み合わせることで、開放感あふれる空間で自然を満喫できます。

 エクステリアは、スクエアなフォルムにウォームシルバーの外殻と赤いキャビンが織りなす二重構造のデザインを採用。

 シンプルかつ近未来的な印象を与えつつ、コンパクトながら重厚感のあるスタイリングが特徴です。

 パワートレインには、1.4リッター直列4気筒のデュアルジェットエンジンとハイブリッドシステムを組み合わせ、5速AGS(クラッチレスMT)と電子制御4WDシステム「ALLGRIP」を搭載。

 実用性と環境性能を両立した現実的な仕様も、コンセプトカーとしての魅力に現実味を添えています。

 残念ながら、エアトライサーは現在まで市販化されていませんが、コロナ禍を経てパーソナルスペースの需要が高まる中、そのコンセプトは現代にこそ求められているといえるでしょう。

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Writer: くるまのニュース編集部

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