外環道「関越~中央~東名」工事は結局どうなった?「本当に進んでいるんですか?」渋滞緩和に期待高まる“地下トンネル”の現状は
首都圏を環状につなぐ「外環道」の未開通区間「関越道~中央道~東名」は現在どこまで工事が進んでいるのでしょうか。
悲願の外環道「東名直結」工事の現在は
首都圏近郊をぐるりとつなぐ「外環道」ですが、まだ肝心の「関越道~中央道~東名」がつながっていません。
この未開通区間は、一体いつになったら開通するのでしょうか。

外環道は、千葉県市川市の高谷JCTから三郷、川口を経て、関越道の大泉JCTまでが開通済み。そこから南下して東名へつなぐ約16kmが工事中です。途中、三鷹市内で中央道にも接続します。
工事区間の全線が地下トンネルで、上下線それぞれの本線トンネルと、そこから地上へ上がってくるランプトンネルが、それぞれシールドマシンで掘削中です。地上でもランプ高架の橋脚や橋桁などの工事が進められています。
ところで、関越道の大泉JCTまではとっくの昔に開通しているのに、どうして関越~中央~東名がいつまで経っても開通しないのでしょうか。
ここが開通してくれないと、世田谷区から関越道で高崎・新潟方面へ行きたい場合や、練馬区・板橋区から東名で名古屋・大阪方面へ行きたい場合など、混雑する下道を延々と走らなければなりません。環七・環八も渋滞ばかりで、それ以外の生活道路となると、もはや何のために走っているのか分からないレベルで、果てしない時間がかかってしまいます。
都内の貴重な南北の「信号ゼロ」高速道路となる外環道。工事は今どうなっているのでしょうか。
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まずランプトンネルのほうは、中央JCTで北側A・Hランプが完了し、南側Bランプが作業中。さらに2024年9月には、新たに「南側Fランプ」のシールドも掘削開始したばかりです。東名JCTでは、Aランプが掘削中。Hランプは2025年3月13日に掘削完了を果たしたばかりです。
そして肝心の本線トンネルですが、関越側から南行きトンネル・北行きトンネルがそれぞれシールド掘進中。5月8日の時点で、それぞれ大泉JCTを起点に4014m地点(上石神井1丁目)、4227m地点(上石神井南町)まで到達しています。
それとは別に東名側からも、すでに3582m、4427mが掘削済み。全体として半分近くの距離を掘削し終えたことになります。
しかし、東名側のシールドは、2020年10月の調布市内の地上陥没案件により完全ストップしたままです。まずは陥没地点周辺をセメント系で固化させる「地盤改良」を完了させなければなりません。
この地盤改良、直径約4m・長さ約40mのパイプを地中に打ち込んで改良していく工法で、1本分を仕上げるのに、約5日かかるといいます。全部で220本分の作業が必要になります。
地盤改良が始まったのは2023年8月。2024年11月末時点で「概ね3割」が完了したと報告されています。少しずつ進んではいますが、この作業が終わる見通しはまだ立っていません。
関越側からの本線シールドが先に南へ到達するのか、それまでに東名側が掘進再開となるのかは、まだ分かりません。ただ、貫通まではまだまだ、年単位の時間がかかっていきそうです。
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