日産「コンパクトハッチ」の“暴れん坊モデル”がスゴかった! 990ccエンジンに市販車唯一の“ツインチャージャー”搭載!? 初代「マーチ」の過激仕様「スーパーターボ」とは!
扱いやすいコンパクトカーとして人気となった日産「マーチ」ですが、初代モデルでは競技モデル用のツインチャージャーエンジンを搭載した過激な市販車が存在しました。一体どのようなモデルだったのでしょうか。
強力なツインチャージャーエンジンを搭載
日産「マーチ」は、コンパクトで扱いやすく、さらに軽快な走りと燃費の良さを併せ持つことで人気となり、長く愛された小型車(いわゆるコンパクトカー)です。
初代マーチは1982年から1992年まで販売され、走行性能を高めたグレードも複数展開。その中に、“究極のスポーツグレード”が存在していました。
一体どのようなモデルだったのでしょうか。

初代マーチに設定された究極のスポーツグレードが、1989年に登場した「マーチスーパーターボ」です。
ボディサイズは全長3735mm×全幅1590mm×全高1395mm。車重は770kgとコンパクトモデルらしい、小さくて軽いモデルでした。
マーチスーパーターボの特徴は、「MA09ERT型」というツインチャージャーエンジンを搭載していた点です。
ツインチャージャーエンジンは、スーパーチャージャーとターボチャージャーの2つの過給機を組み合わせたもの。
一般的にターボチャージャーは、低回転域だと十分な過給圧が得られず作動させるのが難しくなります。そこで、低回転域でも活躍するスーパーチャージャーを組み合わせることで、回転域を問わず効果的にパワーを発揮させたのがMA09ERT型でした。
MA09ERT型は、競技車両のベース車「マーチR」に搭載するために開発されたエンジン。排気量は990ccで、最高出力は110馬力/6400rpm、最大トルクは13.3kg-m/4800rpmと、競技車両用というだけあって強力なスペックを誇ります。
そしてマーチスーパーターボはマーチRの市販版ということもあり、強力なエンジンをそのまま搭載。マーチとは思えない鋭い走りを見せました。
エクステリアデザインは、マーチ本来のシンプルさを生かしつつ、フォグランプ付き専用フロントグリルを追加するなど、1980年代のラリーカーのようなスパルタンな仕上がりでした。
インテリアもMOMO製のステアリングやバケットシートを装備して走りをサポート。ブースト計などを並べた三連メーターも、「走りに特化したクルマ感」をアップさせる装備が充実していました。
足回りには機械式LSDを備え、タイヤも専用のスポーツモデルを装備。ちなみに、MTモデルはパワステがなかったため、ハンドリングは非常にピーキーでした。
先述のようにエンジンが強力だったことも乗りこなすのを難しくしていたポイントで、乗り手を選ぶ一台だったことに加え、ツインチャージャーエンジンは構造が複雑で故障しやすく、さらに修理代も高くつくため、一般ユーザーには不評だったのも事実。
そのため、ツインチャージャーエンジンを市販モデルで搭載したのはマーチスーパーターボのみとなってしまいました。
※ ※ ※
このように、マーチスーパーターボは初代マーチに設定されていた、ツインチャージャーエンジン搭載モデルでした。
30年以上も前のクルマということもあり現存数は少なく、レアな一台となっています。
貴重なツインチャージャーエンジンを体験できるチャンスは、残りわずかかもしれません。
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