トヨタ「“ヨーロピアン”ハイエース」がスゴい! 全長4.7m×カクカクボディで「ちょうどイイサイズ」! スッキリマスクもカッコいい欧州の「プロエース」とは
約20年にわたって販売を続けるトヨタの現行型「ハイエース」(200系)ですが、欧州ではこれとは異なる独自の商用バン・ワゴンを販売しています。どのようなモデルなのでしょうか。
商用バンと乗用ミニバンの2タイプを用意
トヨタが2004年からおよそ20年にわたって生産を続けるロングセラー「ハイエース」(200系)は、いまなお根強い人気を誇ります。
一方欧州では、独自の商用バン・ワゴンモデル「プロエース」が展開されており、ハイエースにはない純正「車中泊」モデルや、EV(電気自動車)仕様まで用意されています。

プロエースは、欧州で2013年より販売されるミドルクラスの商用バン・3列シートミニバンのシリーズです。
効率を最大限まで極めた箱型ボディと、エンジンを運転席下に配置したキャブオーバー型の後輪駆動(FR)レイアウトを組み合わせたハイエースとは異なり、プロエースは乗用車と共通する(横置き・前輪駆動)FFレイアウトを大きな特徴とします。
欧州では商用バンもFFレイアウトが一般的ですが、フロントノーズを備えた外観は国内でも人気のミニバンと共通する親しみやすい雰囲気があります。
プロエースの現行型は2016年に登場した2代目。実はトヨタが欧州で提携を結ぶステランティスグループから供給を受けており、日本未販売のプジョー「エキスパート」/シトロエン「ジャンピー」などと兄弟車にあたります。
パワートレインは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどが各国のニーズに応じて用意されるほか、2021年にはさらにBEV(バッテリーEV:電気自動車)の「プロエース Electric(エレクトリック)」も追加されています。
ボディサイズは、全長約4700mm~5300mm×全幅1920mm×全高1899mm。
ロング版はハイエース スーパーロング(全長5380mm)やラージミニバン「グランエース」(全長5300mm)並みの立派なボディを誇りますが、通常版は全長だけで比較するとミドルクラスミニバン「ノア/ヴォクシー」並みの扱いやすいサイズ感といえます。
室内レイアウトは、商用仕様と乗用仕様で大きく異なります。
商用バンモデルは前席3人掛けシートを標準装備し、車体後方には最大6.6立方メートル、1400kgのクラス最大積載量を備えます。
一方で乗用ワゴンモデルは「プロエース ヴァーソ」で区別され、最大で3列・9人乗りのミニバン仕様をラインナップします。
また、純正でキャンピングカー仕様も用意されているのも、車中泊文化が根付く欧州ならではといえます。
2023年11月には、プロエースのマイナーチェンジがおこなわれました。
内外装デザインが刷新され、外観ではすっきりしたフロントマスクに生まれ変わったほか、内装は、ステアリングホイールデザインを一新しています。
フルデジタルディスプレイや統合ナビゲーションを備えた最新のインフォテインメントシステムなども搭載され、コネクティッド機能も用意されました。
加えて、BEVモデルのプロエース Electricは、バッテリー性能の向上を図り、最大航続距離を約350kmに延長しました。
45分間の急速充電で0%から80%までの充電も可能となっています。
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冒頭で記した通り、国内のハイエースは20年以上にわたって現行モデルが継続生産されています。
度重なるマイナーチェンジが実施され、先進安全機能などのアップデートも図られていますが、ユーザーとしてはそろそろ次に期待したいところです。
ただ、もっともコンパクトなハイエース「標準幅・標準ルーフ・ロングボディ」は4ナンバー規格に収まり、その使い勝手の良さも人気を支える理由となっています。
規格に収まらないプロエースでは、けっして代替できない需要があるのも事実でしょう。
とはいえ、現在のハイエースに設定がないプロエースのBEVモデルなどは、新たな需要を掘り起こすことができるかもしれません。
トヨタの英断に期待したいところです。
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