渋滞末尾の「ハザード点灯」どのタイミングが正解? 「停まる直前」「ブレーキといっしょに」は遅すぎ? ドライバーたちの「渋滞してますサイン」即座に点灯すべき理由とは

渋滞最後尾のハザードは、どのタイミングで点灯させるのが最適解なのでしょうか。

ドライバーたちの“暗黙の了解”「渋滞末尾のハザード」

 休日に高速道路や国道など、スピードの乗る道路を走っていると、前方で渋滞が発生。
 
 そこで、ハザードランプを点灯させて後続車に注意を促します。では、ハザードを点灯させるタイミングは、いつがベストなのでしょう。

渋滞時の「ハザード」ベストタイミングは?(画像:PHOTO AC)
渋滞時の「ハザード」ベストタイミングは?(画像:PHOTO AC)

 ハザードランプは、日本語だと「非常点滅表示灯」といった意味を持ちます。文字どおり、非常時に点滅させるための灯火類です。

 とはいえ、道を譲ってもらったときに行う「サンキューハザード」や、バックで駐車するときに使う「リバースハザード」など、さまざまな場面で使われていることも事実です。

 法的にハザードランプを点灯させることが義務づけられているのは「夜間、道路幅が5.5m以上の道路に駐停車するとき」と「通学・通園バスが子どもの乗降のために停車するとき」の2つだけです。

 それ以外は個々のドライバーの独自の判断でハザードランプを使い分けているのが実情です。

 ただし、高速道路や国道などの最後尾でハザードランプを点灯させることは、法的な決まりはないものの、サンキューハザードやリバースハザードなどとはやや異なります。

 実際、高速道路の電光掲示板に「渋滞末尾ではハザードランプの点灯を」といったメッセージが表示されていることがあり、またJAF(日本自動車連盟)も公式サイトなどで同様に案内しています。

 つまり、必要に応じて積極的に使うべき暗黙のルールであり、覚えておく必要があるマナーと捉えてもいいでしょう。

 では、高速道路や国道などで渋滞に遭遇した場合、どのタイミングでハザードランプを点灯させるのがベストなのでしょうか。

 それは「早ければ早いほどいい」。そして「少しでも追突のおそれがあると感じた場合は迷わず点灯させる」といえます。

 渋滞している場所が直線であればいいのですが、トンネル内などの暗いところや、首都高・阪神高速などにある、先が見えない「ブラインドコーナー」のある道路では、特に後続車への配慮が必要です。

 なぜならこうした場所での渋滞は、後続車に気づいてもらえるのが遅くなり、追突されてケガをしたり、愛車がダメージを受ける確率が高くなるからです。

 そんなとき、ハザードランプを点灯させるか迷っていると、渋滞を知らない後続車がどんどん接近してきます。流れに乗った速度で走っていてコーナーをクリアすると、突如現れた渋滞に、あわてて急ブレーキ。

 間一髪、追突は免れたものの、次の瞬間、同じような状況の後続車が突っ込んできて接触。そして追突事故になってしまった…では遅いのです。

 ましてや、後方から迫ってきたのが大型トラックだったら、急ブレーキを掛けても間に合わず、もし追突されてしまったら大事故につながります。

 時間にしてホンの数秒の躊躇が大事故につながるか、未然に防ぐことになるか、運命の別れ道になることさえあるのです。

 前方で渋滞が発生し、ハザードランプを点灯しているクルマを見つけたら、迷うことなく点灯させましょう。

 ただし、ハザードランプを点灯させたからこれでOKではありません。ブレーキのかけ方も「ペダルを踏んでは離す」を繰り返し、ハザードとともに「ブレーキランプ」も点滅させて、注意を促すとベストでしょう。

 そして後続車がハザードランプを点灯させたことが確認できたら、こちらはスイッチをオフにします。こうした「連続作業」が後続車のドライバーに広がっていけば、きっと追突事故は予防できるはずです。

 この種のテーマは明確な基準がなく、ここのドライバーの判断に委ねられているがゆえに、意見がまとまりにくい側面があります。

 そんなときは「事故を未然に防ぐにはどうすればいいか」といった観点で対応すれば、かなりの確率で事故やトラブルを回避できるはずです。

【画像】「渋滞ハマらないってサイコー!」 これが「高速SAにあるホテル」です!(39枚)

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

画像ギャラリー

Writer: 松村透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

【2025年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿や、URLを記載した投稿は削除する場合がございます。

2件のコメント

  1. 渋滞末尾のハザードに限らず、サンキューハザードも含めて、ルールとして統一しないなら辞めるべきだと思っている。
    理由は、グレーゾーンというのは揉める原因になりやすいため。
    なぜやる?、なぜやらない?といった揉める原因になるぐらいなら、要らないルール。

  2. >道を譲ってもらったときに行う「サンキューハザード」

    こういう行為が横行しているから、ハザードの本来の目的である「異常事態発生」を知らせる効果が減るんだよね……。
    「ちょっと考えればサンキューハザードかどうかわかるじゃんww」と言う人も結構いるけど、サンキューハザードの時なら、考える時間があるが、緊急時には後続のブレーキがコンマ数秒の差で生死をわけることだってある。
    まにあわない段階になっても後続が「サンキューハザードじゃなかった!」って気づいても、その直後は死亡事故になっている可能性もあるんだけどね……。
    しかも車線変更で「サンキューハザード」だす車はほとんどがその前の段階で違法やろ。ウインカー即ハンドル操作や、そもそも通行帯違反で右車線をはしって身勝手な追い抜きからの割込みとかさ。
    車線変更後「サンキューハザード」だすなんて、はっきりいって強引な割込み時だけやん。強引にわりこんだのをごまかすために「サンキューハザード」だしているよね。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー