ダイハツの「“超”極小ミニバン」がスゴい! 全長3.7mで「3列・7人乗り」の“お手頃”サイズ! コンパクトすぎる“スライドドア”モデル「アトレー7」とは
ダイハツはかつて、驚くほどコンパクトな3列・7人乗りミニバンを販売していました。全長わずか3.7m台の「アトレー7」とは、いったいどのようなクルマだったのでしょうか。
驚異の“超”極小ミニバン「アトレー7」とは
3列シートを備え多人数乗車が可能なミニバンは、日本のファミリーカーとして人気ですが、広い室内空間の代わりにボディサイズが大きくなる傾向があり、運転が難しくなる場面も少なくありません。
そのような状況下において、過去には驚くほどコンパクトながらも7人乗りを実現したモデルが存在しました。それが、2000年7月にダイハツから発売された「アトレー7」です。

アトレー7は、当時の主力軽ワンボックスカー「アトレーワゴン」(4代目)をベースに開発されました。
アトレーワゴンの広い室内空間を活かしつつホイールベースを若干延長し、リアオーバーハングを伸ばすことで、全長3765mm×全幅1515mm×全高1895mmに拡大し、軽自動車の規格サイズは超えています。
このボディ拡大により、軽自動車ベースながら3列シートのスペースを確保することができました。
現在のコンパクトミニバン、トヨタ「シエンタ」(全長4260mm×全幅1695mm×全高1695mm)よりさらに小さい極小サイズです。
それでも室内には2列目に3名、3列目に2名の計7名乗車可能なシートを巧みに配置。最小回転半径も4.4mと、軽自動車並みの取り回しやすさを実現した、絶妙なパッケージングが特徴でした。
エンジンは新たに開発された1.3リッター直列4気筒「K3-VE」型ツインカム「DVVT」(可変バルブタイミング機構)を搭載。
最高出力90PS(後に92PSに増強)、最大トルク123N・m(同125N・mに向上)を発揮し、新開発の電子制御4速ATもしくは5速MTとの組み合わせで、7人乗車時でも十分な動力性能を発揮しました。
駆動方式には、FR(2WD)とフルタイム4WDが用意されていました。
そんなアトレー7の魅力のひとつは、多彩なシートアレンジ機能です。
新開発の「ハイダウェイシート機構」を採用し、3列目シートを床下に格納することが可能でした。さらに2列目シートも格納でき、乗車人数や荷物の量に応じて車内空間を自在に変更できました。
例えば、5名乗車時には3列目を格納して広いラゲッジスペースを確保。さらに2列目も格納すれば広いフラットスペースが出現し、長尺物も積載できました。
2列目シートには480mmのロングスライド機構も備わり、後席の足元スペース調整や荷室へのアクセスも容易でした。
装備面では、デュアルエアコン、電動スライド式ガラスサンルーフ、左側スライドドアのイージークローザーなどが設定され、快適性にも配慮。
安全性も、当時の基準で開発された衝突安全ボディ「TAF」や安全インテリア「SOFI」を採用し、デュアルSRSエアバッグなどを標準装備。オプションでサイドエアバッグやABSも設定されていました。
またアトレー7は、トヨタにも「スパーキー」としてOEM供給されました。
スパーキーはフロントマスクや内装一部デザインが異なり、アトレー7ではオプション扱いだったABSが標準装備されていました。
両ブランドから販売されたアトレー7とスパーキーですが、残念ながら販売面では苦戦を強いられました。特にトヨタのスパーキーは販売台数が伸び悩み、2003年8月に販売を終了しました。
アトレー7も2004年に生産を終了し、両車とも約3年から4年の短いモデルライフに終わりました。
7人乗りを実現しながらも軽自動車並みの取り回しやすさを実現したアトレー7。当時は市場で大きな成功を収めたとは言えませんが、そのコンセプト自体はユニークで画期的でした。
現在、シエンタやホンダ「フリード」といったコンパクトな3列シートミニバンが人気を集めている状況を見ると、アトレー7は時代を先取りしすぎていたのでしょうか。
しかし同時に、軽自動車をベースとしたため、全長はコンパクトでも室内幅など、当時の消費者がミニバンに期待する広さには届かなかった側面もありました。
もし現代の技術を用いてこれらの点を克服しつつ、同様のコンセプトを持つクルマが登場すれば、多くのユーザーに支持される可能性を秘めているかもしれません。
蒸し返しトピックス好きだナーこのライターさんは。
で、販売台数はどれくらい何だっけ?
え?!調べてないんですか??