日産「“R32”スカイラインGT-R」が“ATの電気自動車”に!? 平成の名車を「エンジン外して魔改造」で“賛否両論”の渦に! しかし実は「次期型GT-R」につながる「開発テーマ」があった?
ガソリンエンジン車から続く「運転の楽しさ」の伝承
また平工氏はR32 EVで、MTで操作したときの変速ショックの再現にも挑戦していました。

「現代のクルマは、操作ミスをしてもクルマ側がカバーしてくれるので、ストレスフリーでそれも楽しいのですが、昔のクルマの運転の楽しさとは異なります。
いうなれば、MT操作が決まる『爽快感』をデジタルで再現したかったのです」
確かに昔のMT車は、きちんとシフトチェンジ操作をしないとギクシャクしたり、クルマとシンクロできていないとスムーズに走れませんでしたが、そうした操作が難しいからこそ楽しいと感じるところはありました。
なお平工氏は、今回のR32 EV完成後も引き続きデジタル化の再現を進めていると話します。
「日産のレジェンドドライバーの意見も聞きながら、精査を続けています。
現時点はまだ完璧ではないものの、電動化をしても『運転が楽しい』と感じられるクルマにかなり近づいたと考えています。
この先、一般の人にも触れてもらい『面白いね』といってもらえるのか聞いてみたいです」
日産がR32 EVでやりたかったのは、マニュアルミッションの操作による運転の楽しさをデジタルで再現することでした。
クルマを電動化した上でマニュアルミッションは残すという、トヨタのAE86 BEVコンセプトとはちょっと狙いが違ったようです。
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今回筆者(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)が驚いたのは、日産がこうした基礎研究を地道に実施しているという点でした。
この先、EVやPHEV(プラグインハイブリッド)、HEV(ハイブリッド)といった電動化が進んでも、ガソリンエンジン車から続く「運転の楽しさ」の伝承について、日産が真剣に考察し続けているということが嬉しく思います。
折しも、現行型「GT-R」(R35型)がまもなく生産終了する模様です。
次期型GT-Rについてはまだその詳細も明らかになっていませんが、電動化技術を組み合わせたスーパースポーツカーとして開発されるのではとウワサが流れており、次期GT-Rに対する期待の高さがうかがえます。
ぜひとも今回のR32 EVから始まる新技術を完成させ、日産車らしい運転の楽しさが継承されていくことを期待したいです。





























































































