ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
新型クラウンエステートの内外装をチェック
新型エステートのボディサイズは、全長4930mm×全幅1880mm×全高1625mm、ホイールベースは2850mm。
パッと見ると、厚みがあるボリューム感からSUVっぽさを感じますが、ウィンドウ面積が小さいうえ、数値以上(全長5m弱)に伸びやかに見えるフォルムは、なるほど“ステーションワゴン”です。
![勢ぞろいしたトヨタ 16代目「クラウン」シリーズ[右が新型「クラウンエステート」]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/03/20250313_TOYOTA_CROWN_ESTATE_002.jpg?v=1741751512)
クロスオーバーは、いわば「リフトアップセダン」という成り立ちですが、そういう意味で新型エステートは「リフトアップワゴン」と呼んでもいいのかもしれません。
直接的なライバルは存在しませんが、イメージ的にはスバル「レガシィ アウトバック」をより都会的にした感じで、パッケージ/寸法はキャデラックの新BEV(電気自動車)「リリック」が近いように思えます。
前後のデザインは、ひと目で“クラウン一族”とわかるデザインながらも、バンパーイングリルの処理やエモーショナルになり過ぎないシンプルでクリーンな面構成などから、他のクラウンたちと比べるとややカジュアルな印象です。
その印象をデザイナーの宮崎満則氏に伝えると、「自然の中と都市の暮らしの共生がテーマ」と教えてくれて納得しました。

インテリアは表皮やカラーコーディネイト(筆者:山本シンヤとしてはPHEV専用のブルーがオススメ)、加飾などで差別化されていますが、基本レイアウトはクロスオーバー/スポーツと共通です。
せっかく(ちょうど、というべきか)12.3インチTFT液晶カラーメーターのデザインが4つある(Casual/Smart/Tough/Sporty:さらにそれぞれダイヤルなし/1ダイヤル/2ダイヤルの3表示が可能)ので、各モデルに合うデザインをデフォルト状態にしてほしいところです。
筆者は、新型エステートに似合うのは「Tough」か「Sporty」かなと思います。
後席以降が新型エステート独自のパッケージングとなりますが、ロングホイールベース(2850mm)を活かしており、セダンに匹敵する居住性に驚きます。
ちなみに筆者(身長170cm)がフロントシートで適切なポジションを取ると、後席の足元はこぶし3.5個以上もあるのです。
6:4分割式ながらも厚みのあるシートバックも相まって、クロスオーバー並みの掛け心地を実現していますが、欲をいえばもう少しヒップポイントが高いほうが、ワゴンらしい開放感はあるかなと感じました。ちなみに現状でも、頭上スペースはかなり余裕があります。
その一方で残念な部分は、後席シートヒーターがPHEVにしか装着されず、HEVにはオプション設定すらない点です。
後席をより活用する機会が多いワゴンだからこそ、早急な対応を期待します。

そして新型エステートの注目は、なんといっても積載性の高さです。
リアシートの背もたれを倒し拡張ボードを展開すると、室内長2mのフラットな空間が生まれます。
クロスオーバー+85mmの全高も相まって、広大な空間は長尺物の積載はもちろん車中泊も可能です。
唯一不満があるとすれば、電動格納機能が欲しいという点くらいでしょうか。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿や、URLを記載した投稿は削除する場合がございます。