ガソリンスタンドの倒産が1年で184件! コロナ禍前の水準に迫る!? 補助金縮小で経営環境はさらに厳しくなる可能性も
帝国データバンクは「ガソリンスタンド」の倒産・休廃業解散動向について調査・分析を行い、2025年2月27日に発表しました。これによれば2024年のガソリンスタンドの倒産・休廃業件数は184件。3年連続で増加し、コロナ禍前の水準に迫りつつあるといいます。
ガソリンスタンドの倒産・休廃業はコロナ禍前の水準に迫る
2025年2月27日、帝国データバンクは「ガソリンスタンド業界の最新景況レポート」を発表しました。
昨今、ガソリンスタンドが現象していると言われていますが、実情はどうなっているのでしょうか。

レギュラーガソリンの販売価格(全国平均)は、コロナ禍の行動制限などの影響で需要が大きく落ち込み、2020年5月には1リットル124.8円と底値を記録。
しかし、2021年以降は世界的な経済活動の再開による石油需要の高まりや主要産油国による減産調整、日米金利差拡大による円安傾向などを背景にガソリン価格は上昇を続け、家計への悪影響のみならず、運輸・製造など多方面で収益圧迫要因となっています。
そのため、政府は「燃料油価格激変緩和対策事業」を発動し、2022年1月からガソリン補助金の支給を開始。
これによりレギュラーガソリンの販売価格(全国平均)は、170円前後に一時的に落ち着きを見せていました。
しかし、ガソリン補助金が2023年9月末で終了する方針が示されたことに加え、円安や地政学リスク、産油国の生産調整などの影響から再び上昇し、同年9月には183.5円の高値を記録。
その後のガソリン販売価格は、ガソリン補助金終了の延期・引き上げ効果から175円前後を推移しますが、ガソリン補助金は段階的に縮小され2025年1月は182.9円に上昇しています。
こうした状況のなかでガソリンスタンドを取り巻く環境は、ガソリン車の燃費向上、電気自動車(EV)の増加。さらには、人口減少や若者の車離れ等の需要減少要因が重なり厳しい状況下にあります。
また、地下貯蔵タンクの改修・更新義務などに迫られ、廃業などを選択する業者が多いことから、ガソリンスタンド数は各地で減少傾向となっています。

資源エネルギー庁の調べによると、1995年3月末に6万0421か所あった揮発油販売業者数及び給油所数は、24年後の2019年3月末に3万0070カ所に半減。
その後も緩やかに減少が続き、2024年3月末には2万7414カ所となっています。
ガソリンスタンドの倒産・休廃業件数の推移を見ると、コロナ禍以降の各種支援策に加え、ガソリン補助金などの効果から、2021年は124件と大幅に抑制されています。
しかし、継続する仕入価格や人手不足に伴う人件費の上昇、後継者難、脱炭素推進による電気自動車やハイブリッド車の普及などに伴い、2024年は184件と3年連続の増加となり、コロナ禍前の水準に迫りつつあると言います
こうした状況下において企業からは「カーボンニュートラルの流れに加え、過疎化や若者の車離れ等で需要増が見込めない」「販売価格が高くなったことで、節約志向が高まり買い控えが見られる。値段を下げれば利ざやの縮小、価格を維持すれば売上高減少と厳しい状況にある」といった声が寄せられていると帝国データバンクは説明しています。
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なお前述のガソリン補助金は、2025年1月16日をもって縮小したことで、今後のガソリンスタンドを取り巻く環境はより厳しくなることが予想されます。
帝国データバンクは「ガソリンスタンド業界の最新景況レポート」の締めとして「ガソリンスタンドを取り巻く環境は急速に変化しており、それに応じるために単なる燃料供給拠点から総合的なサービス提供拠点への深化など、さらなる企業努力が求められる」としています。
帝国何とかのコメントは現状を全く理解して居ない面が多い。企業努力?大都会で車不要の生活をして居るヒトのコメントかしら??僻地のGSが生活のキーに成って居る地域が有る現状を知らないのかな?
ガソリンスタンドの廃業はその後の処理が大変です。
自分も解体で行った経験がありますが土壌が汚染されています。
しかも地面の下に埋められた巨大なタンクを掘り出す作業が大変です。
それを大型トラックに乗せて処理工場に持ち込みます。
時々、その巨大な燃料貯蔵タンクをバーナーで焼き切って解体しようとして爆発事故を起こす業者もいます。危険物取扱者の免状を持たないような人間が燃料貯蔵タンクを解体しようとすれば事故が発生して当たり前です。
こんな感じでガソリンスタンドの廃業には膨大な解体費用と手間を必要とします。だから売上がなくて廃業したいと考える経営者さんがおいそれと廃業できない裏事情があります。
解体作業を行うこちらも命がけなシーンが多々有ります。