ホンダの「和製スーパーカー」が凄かった! 赤い「Hエンブレム」&全長4.2m切り「斬新ボディ」! 2リッターV6×MTの「40年前のMRクーペ」“復活”は未来への布石なのか

ホンダの北米法人は2024年8月に、40年前披露したコンセプトカーを異例のフルレストアを敢行して再び展示しています。非常に注目を浴びたモデルですが、どのようなクルマなのでしょうか。

40年ぶり復活の「幻のホンダスーパーカー」は未来への布石?

 新時代のデザインや画期的な機構を取り入れて、モーターショーで大々的に披露されるコンセプトカーですが、公開後は残念ながらスクラップにされることがほとんどです。
 
 しかし、ホンダの北米法人は2024年8月、40年前に披露したコンセプトカーをフルレストアし、再び展示するという異例のプロジェクトを敢行しています。どのようなクルマなのでしょうか。

40年前に公開された「HP-X」を披露
40年前に公開された「HP-X」を披露

 1984年は、街ではチェッカーズの「ギザギザハートの子守唄」や中森明菜「十戒」が流れ、空前のエリマキトカゲブームやロス五輪など印象的なニュースもあった一方、ロス疑惑やグリコ・森永事件など、世間を揺るがす出来事もあった年でした。

 そして同年、イタリア・トリノで「トリノ オート ショー」が開幕。今でも名車との呼び声も高いランチア「テーマ」やマセラティ「ビトゥルボスパイダー」がワールドプレミアされました。

 このとき、ホンダは「HP-Xコンセプト(以下、HP-X)」というミッドシップスポーツコンセプトカーを初公開しました。

 車名の「HP」とは「Honda Pininfarina(ホンダ ピニンファリーナ)」を、「X」は「experimental(エクスペリメンタル)」が由来で、名称のとおりデザインはイタリアの名門デザイン工房のピニンファリーナが担当。

 ボディサイズは全長4160mm×全幅1760mm×全高1110mm。ボディ構造にはハニカム パネル、カーボン ファイバー、ケブラーなどを採用し、徹底した軽量化を実現したといいます。

 エクステリアは、当時まだ斬新だったウェッジシェイプ(くさび形)形状とし、極めて低いノーズにフロントガラスからルーフまで一体のキャノピー、フロントから大きくせり上がったテールなど、空力性能を追求。戦闘機のようなデザインにまとめています。

 通常のドアは存在せず、上部のキャノピーから乗車します。フロントタイヤからキャノピー横、テールにかけては深いキャラクターラインが幾重にも施され、ボディサイドの空気を整流。

 リアは一切の無駄を省いたシンプルなスタイルで、真一文字のテールランプとガーニッシュを組み合わせたのみ。下部には空気の抜けを良くする大型ディフューザーを備え、レーシングマシンのような佇まいです。

 ボディカラーはオフホワイト×ネイビーと非常にオシャレで、サイドからリアにかけては赤いアクセントラインを配置。サイドのロア部にはピニンファリーナロゴを施すなど、これまでなかったような斬新な意匠も採用されました。

 そしてインテリアも非常に先進的でモダンでした。パープルのファブリック素材をあしらったインパネに、レッドのシートやトリムを組み合わせ、スポーティさと機能性を両立。

 センターコンソールはスイッチ類が集約され、今でいうインフォテインメントシステムを装着しています。

 このほか、リアルタイムテレメトリシステムやGPSによる車両の位置測定、ソナーによる道路状況警告などの先進運転支援も備わっており、今の技術にも活かされている最先端の機能が多数採用されていました。

 いっぽう、パワーユニットは実にスポーティなものでした。F2のレーシングマシンをベースにした2リッターV型6気筒DOHC 24バルブをミッドシップに配置し、後輪を駆動。トランスミッションは5速MTを組み合わせています。なお、詳細スペックは不明です。

 登場時は、新時代のスーパーカーとして大いに期待されたものの、残念ながらそのままの市販化は実現しませんでした。

 ただし登場から6年後、1990年にはHP-Xと共通性を感じる“和製スーパーカー”こと2シーターMRスーパーカー「NSX」が誕生し、国産スポーツカーの代名詞となっています。

 そんなHP-Xですが、どうやらスクラップにされずに残存していたようで、ホンダの北米法人はフルレストアを実施。

 2024年8月、米国カリフォルニアで開催の「モントレーカーウィーク」内での1イベント「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」で、フルレストア後の復元された車体を展示しました。

 登場からちょうど40年後の再披露ということもあり、レストアの仕上がりの良さも含めて大いに注目を浴びましたが、折しもちょうど前年の2023年8月、ホンダの北米法人は「ACURA Electric Vision Design Study」と名付けられた高性能EVモデルのデザインコンセプトの映像を発表。

 すでにホンダからは2022年、新たな「フラッグシップスポーツモデル」の投入が予告されています。

 この一連の流れは、もしかすると新型スポーツカー登場への布石なのではないかともささやかれており、HP-XからNSX、さらにはまだ見ぬ新型モデルと、ホンダのスポーツカーの原点から未来へと続く期待を大きくさせるものとなりました。

【画像】超カッコイイ! これが「ホンダの和製スーパーカー」です!(83枚)

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1件のコメント

  1. エンジンのスペックが載ってますが、幾ら見てもエンジンルームを開けられる様に見えません。
    これは実際にエンジンを載せる前の段階のコンセプトカーという事なのでしょうか?

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