トヨタは、2023年10月に開催された「ジャパンモビリティショー（JMS）2023」に「ランドクルーザー Se（エスイー）」を初出展しました。
　
　これまでのランドクルーザーシリーズとは大きく異なるモデルだといいますが、どのようなクルマなのでしょうか。

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　ランドクルーザーの歴史は非常に古く、初代BJ型の1951年デビューから2025年で丸74年となります。

　初代から優れた耐久性を誇り、新興国の過酷な地域で走る乗員の命を守る使命も担うなど、世界の自動車の歴史の1ページを飾る1台となっています。

　そんなランドクルーザーシリーズの将来像をイメージしたというランドクルーザーSeは、3列シートを備えたBEV（バッテリーEV：電気自動車）のコンセプトモデルです。

　水平基調で安定感のあるスタイリングは、歴代ランドクルーザー特有のフォルムを受け継ぎつつも、BEVらしくフロントグリルレスとしたことで、近未来的な雰囲気を持ちます。

　ボディサイズは全長5150mm×全幅1990mm×全高1705mm、ホイールベースは3050mm。

　現在販売されるランドクルーザーシリーズの中でも最も大きい「ランドクルーザー300」（全長4985mm×全幅1980mm×全高1925mm）よりさらに大きいラージサイズでした。

　インテリアについて発表されたのは、3列シート・7人乗りであることと「市街地などのオンロード走行時、BEVならではの高い静粛性による快適な室内空間を醸成」と伝えたことのみにとどまっています。

　パワートレインについても「BEVならではのトルクフルな走りを提案」とするものの、詳細の性能などは明らかにされていません。

　さて、歴代ランドクルーザーに共通する基本構造として「ラダーフレーム」が挙げられますが、ランドクルーザーSeは通常の乗用車と同様のモノコックボディを採用しています。

ラダーフレームは、ランドクルーザーのようなオフロード四輪駆動車のほか、トラックやバスなどの大型車に採用されるなど、堅牢性と耐久性に優れたハシゴ状のフレーム構造です。

　世界中の道なき道で活躍し、類を見ない耐久性の高さで絶大な支持を集め続けるランドクルーザーにとって、不可欠なアイテムのひとつといえます。

　しかしランドクルーザーSeは、なぜモノコックボディを採用したのでしょう。

　JMS2023の公開時には「モノコックボディで意のままに操れるハンドリングとラフロード（荒れた道）を安心して滑走できる走破性を追求」したと説明しており、ランドクルーザーブランドを名乗るに相応しい十分な性能を確保していることがうかがえます。

　多くのBEVはフロア下にバッテリーを敷き詰めるレイアウトを採用していますが、バッテリーを保護する収納構造物によって、ボディ剛性を高めるフレームの役割も兼ねています。

　ラダーフレームを採用しなくとも、ランクルの名に恥じない堅牢なボディを形成できるという目論見があるのかもしれません。

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　2025年秋にはJMS2025が開催されます。

　さらなる進化版として、より市販化をイメージさせる“新”ランドクルーザーSeがトヨタブースに登場するかもしれません。

　大いに期待して待ちたいところです。